米国時間2月3日に「Paper」をリリースしたソーシャルネットワークFacebookは、アプリ開発メーカーFiftyThreeとの間で危険ないざこざを引き起こしている。
FiftyThreeは2年前にリリースした同社の「Paper」という名称のアプリケーションが、FacebookのPaperによってつぶされてしまうのではないかと恐れている。
FiftyThreeのPaperアプリケーションは、ユーザーがデジタルのペンと紙でスケッチやメモを作成したり絵を描いたりすることのできるモバイルメモ帳である。2012年にはAppleの「iPad App of the Year」(iPadアプリオブザイヤー)に選ばれている。一方、FacebookのPaperは、3日に米国で「iPhone」ユーザー向けにリリースされた。同社創設10周年に合わせてリリースされたこの新しいアプリケーションは、ソーシャルネットワークFacebookが2014年に開設されていたならばこうなっていたであろう姿を表している。
ユーザー規模と知名度という観点では、FacebookのPaperがブランド知名度の低いFiftyThreeのPaperを打ちのめす可能性がある。そこで、FiftyThreeは世論に訴えることで、FacebookがPaperという名称を変更するように圧力をかけようとしている。
「Facebookは、アプリ開発に注ぐのと同じだけの思慮を独自のブランド名構築に注ぐことができるはずだとわれわれは思う」とFiftyThreeの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるGeorg Petschnigg氏はブログ投稿に記した。「Facebookは、われわれのブランド名を使用するのをやめるべきだ」(Petschnigg氏)
Petschnigg氏はThe New York Timesに対し、同社アプリの「Paper」は米国やその他の国で商標化されているとも述べた。約1500万ドルの資金を調達しているFiftyThreeはこれまでのところ、法的な措置はとっていない。
「Facebookは今後、どのようなストーリーを展開するだろうか。自社に対する開発メーカーをいじめる大規模企業になるのか。それとも機敏性を発揮し、過ちを認めて修正するのか」とPetschnigg氏は記している。
Petschnigg氏は、Facebookが申し訳なさそうにしているとしたが、Facebookは同社アプリの名称を変更しようという気には特になっていないようで、計画通りにリリースを進めた。
Facebookはコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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