「複数の新しい体験を個別に構築することに重きを置いているが、それは、人々が望む共有とコミュニケーションの手段は多種多様にあるという理論によるものだ。共有することを想像できるほぼすべての種類のコンテンツ、例えば、文字や写真、動画、リンク、位置情報、イベント、ゲームなど、あらゆる種類のコンテンツをあらゆる種類のユーザーと共有する、ということだ。それは、1対1の状況でのプライベートな共有かもしれないし、小さなグループ内での共有かもしれない。友達全員と共有することもあれば、より大規模なコミュニティーと共有することもあるだろう。あるいは、すべてのユーザーとの共有かもしれない」(Zuckerberg氏)
Facebookは先週、「Flipboard」風のリーダーアプリ「Paper」を発表した。PaperはメインのFacebookサービスとは異なる、よりカスタマイズ性の高い体験を提供するスタンドアロンアプリとして、「Messenger」に続く製品だ。
それと並行して、FacebookはGraph Searchと、人工知能およびニューラルネットワークへの投資によって、次世代検索エンジンの開発も試みている。「世界を理解するということは、人々がテキストメッセージや写真などの日々の最新情報を共有することだけでなく、世界や、人々の興味の対象、美味しいレストラン、友達が宿泊したホテルなどについて、長期的な知識の構築も支援することだ。われわれは、ユーザーが自らのネットワークを利用して、自分の疑問の多くを解決するのを支援するインテリジェントなサービスを構築できるはずだ」。Zuckerberg氏は2013年第2四半期決算発表の電話会議でこのように述べている。
Graph Searchのモバイル版は「近いうちに」公開される予定だとZuckerberg氏は述べた。しかし、膨大な数の「Like」(いいね!)や投稿、写真、そのほかのコンテンツを音声制御可能なナレッジベースに変換して、インテリジェントに質問に答えたり、休暇の計画を容易に立てたりできるGraph Searchを構築するまでには、数年、あるいは10年という時間が必要だろう。
10年間のタイムフレームでは、Zuckerberg氏は、現在つながっていない地球上の3分の2の人々にインターネットアクセスを提供する取り組みを進展させたいと考えている。
「世界のより多くの人々をインターネットにつなげることができたら、多くの開発途上国の人々が何にアクセスできるかという点で、全く異なる世界が実現すると思う。基本的な金融サービスについても、人々は信用貸しを利用して、事業を始めたり、家を購入したりできる。まさに人生を一変させるようなものだ。また、健康に関する情報や教材にアクセスすることもできる。これは本当に重要なことだと思う。そして、長期間にわたって、われわれは常にその手助けをしたいと考えてきた。われわれが目指すのはそうした方向性だと考えている」(Zuckerberg氏)
要約すると、Facebookの10カ年計画は以下のようになるだろう。
10年間というのはシリコンバレーでは長い時間だが、Zuckerberg氏とSandberg氏によると、今のFacebookには競争に必要な「大きな規模、野心、資源」があるという。これらの「規模」「資源」、そして、その間に挿入された「野心」という3つの言葉は、現時点におけるFacebookの戦略的に有利な立場を示している。Zuckerberg氏とSandberg氏は明らかに野心を抱いており、Facebookを新たな次元に押し上げるのに必要な規模と資源を有している。今、より大きな問題になっているのは、彼らが今後10年間にわたって、2013年第4四半期のように事業を運営し続けることができるかどうかということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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