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ヤフー、四半期ベースで初の減益--通期では最高益の予想をさらに上乗せ

別井貴志 (編集部)2014年01月30日 00時19分
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 ヤフーは1月29日、2014年3月期第3四半期(2013年10~12月期)決算を発表した。コンシューマ事業で、10月から「Yahoo!ショッピング」の月額出店料とロイヤリティを、「ヤフオク!」の月額出店料と出品料などを無料にする「eコマース新戦略」を実行し、この影響を受けて前年同四半期比ベースで、創業以来初めて減益となった。

 売上高は968億円と前年同期比9.3%増と成長率は落ち込んだもののプラスを維持した。コンシューマ事業でeコマース分野の落ち込みが大きかったものの、同様に減少が懸念されたプレミアム会員費収入が増加したこと、さらにマーケティングソリューション事業で広告が好調で、その他の事業でもFX事業が伸長したことなどが要因だ。

 また、利益面では販管費が355億円と前年同期比で20%増となり、営業利益で495億円と同1.5%減、経常利益で495億円と同1.1%減、純利益で305億円と同1.4%減と、小幅ながら創業以来初めての減益となった。テレビCM増などから広告宣伝費が同262%も大幅に増加したほか、プロモーション費用やポイント費用がかさみ販売促進費も同59.8%増加した。



2013年度第3四半期業績
  2012年度
第3四半期
2013年度
第3四半期
前年同四半期比
増減率

        増減要因
売上高 (億円) 886 968 9.3% ・広告売上高の増加
・プレミアム会員費収入の増加
・eコマース新戦略による減少
売上原価 (億円) 91 122 33.6%
           -
売上総利益 (億円) 794 846 6.5%
           -
販管費 (億円) 294 353 20.0%
           -
営業利益 (億円) 499 492 -1.5%
eコマース新戦略による費用の増加
経常利益 (億円) 500 495 -1.1%
           -
四半期純利益 (億円) 309 305 -1.4%
           -
完全希薄化後EPS (円) * 5.33 5.32 -0.2%
           -
完全希薄化後株式数
(百万株) * **
5,801 5,734 -1.2%
           -
* 2013年10月1日付で普通株式1株を100株に分割する株式分割を実施し、過去分についても遡及して修正。
** 完全希薄化後株式数は自己株式を除く。

 減益の大きな要因となったコンシューマ事業は、売上高が前年同期比6.7%減、営業利益が同25%減となった。ショッピングとオークション無料化は売上高に対して約30億円のマイナス要因となり、プロモーション費用も10数億円影響し、合わせて50億円弱の減益インパクトとなった。


      コンシューマ事業
2012年度
   第3四半期
2013年度
   第3四半期
前年同四半期比
       増減率
売上高 268 250 -6.7%
営業利益 198 149 -25.0%
単位:億円

 ただし、こうした施策が戦略通りにプラスに出ている面もある。eコマース取扱高が4618億円と前年同期比7.3%増加した。ショッピング関連事業は年末商戦期に積極的な販促をした結果同3.4%増、オークション事業では新規入札者数や単価の上昇により同9.8%増となった。

 ショッピング関連事業では、新規出店申し込み数が前年同期比60倍以上の9万件あり、ストア数(アカウント発行数で開店準備中も含む)は2万9411店と同1万店増えた。さらに商品数も30%以上伸びているという。

 オークション事業では、新規入札者数が前年同期比30%増と2008年第2四半期以来最大の伸びだった。落札単価も同10%以上増となった。さらに、B2C出店申し込み数は同3倍以上増加し、商品数も前年同四半期末比で約20%増加、ストア数(アカウント発行数で開店準備中も含む)は1万6968で2年ぶりに増加に転じた。

2014年のキーワードとして「×10倍」を掲げる宮坂氏 2014年のキーワードとして「×10倍」を掲げる宮坂氏

 ヤフーの代表取締役社長である宮坂学氏は2014年のキーワードとして「×10倍」を掲げているが、eコマース関連事業について「ジャンプするためにしゃがんでいる」と表現した。たしかに、ストア数や新規入札者数が伸びるなど大転換した効果も出てはいるが、「まだまだ他社に負けている。ヤフーの最大の弱点は品揃えなので、必ず『日本最大の品揃え』をして、目標としている『201X年度までに流通(ショッピング関連とオークションの取扱高の合計)総額国内No.1』を達成したい」と、改めて意気込んだ。そして、これが達成された時には、同社が掲げる「201X年3月期までに営業利益3300億円」も達成させるかまえだ。それまでの2013年、2014年度の営業利益成長率は1桁前半~半ばとなるだろうが、2015年度以降の飛躍を目指すという。

 大きく分けて、eコマースは(1)品揃え、(2)集客、(3)送料無料なども含めた価格、(4)当日配送などを含めた物流の整備の4点をすべて手がけなければならず、それぞれを強化していく方針。「もちろんさまざまなプロモーションは続けていくが、最大のプロモーションは『日本最大の品揃え』になること。長い目で見るとこれにつきると思うので、まずやるべきことは品揃えを増やすこと。そのためには、売る人の数を増やしていくことを、地味ではあるが、きっちりとやるべきだと思っている」とした。

 この一方、マーケティングソリューション事業は売上高が前年同期比13.3%増、営業利益が同9.3%増となった。ブランドパネル以外の広告が軟調だったため、プレミアム広告の売上高が同5.2%減と落ち込んだが、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)が同149%伸長するなど、ディスプレイ広告全体では同25.9%増と好調だった。また検索連動型広告も、スマートフォン経由が伸びて同7.7%増加と堅調だった。


   マーケティングソリューション事業
2012年度
   第3四半期
2013年度
   第3四半期

   前年同四半期比
       増減率
売上高 608 689 13.3%
営業利益 341 372 9.3%
単位:億円

 マーケティングソリューション事業では米BrightTagとの資本提携を通じてビッグデータを利用したDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を2014年春より提供する予定だ。また、米国ヤフーのプラットフォームを活用し、Yahoo! JAPANが保有するビッグデータを使い、「プライムディスプレイ」などの広告枠においてターゲットとなる利用者に広告を配信するDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)事業を1月から開始。これらと合わせて、ブレインパッドとの提携で設立したコンサルティング事業の合弁会社で、専門のデータサイエンティストを通じたビッグデータ活用のコンサルティングサービスにも力を入れる。さらに、予約型ビデオ広告配信において実績のある米Videologyのプラットフォームを活用したビデオ広告事業も開始する。

 通期の業績予想については、コスト削減効果やマクロミル株の売却益などを見込んで上方修正し、上場来17期連続で過去最高益を更新する見通しだ。

2013年度通期見通しの修正
  2013年度
     通期見通し
 (13年10月25日時点)
2013年度
     通期見通し
    (今回修正)

      変更理由

売上高
3,871 3,871
         -

営業利益
1,930 1,960
利益率の高い事業が好調

経常利益
1,935 1,968
         -

当期純利益
1,209 1,259
投資有価証券の売却を予定
単位:億円
2013年度通期見通し-前年度比較
 
  2012年度
   通期実績

  2013年度
  通期見通し

 前年度比

      増減要因

売上高
3,429 3,871 12.9% ・広告売上高の増加
・プレミアム会員費収入の増加
・eコマース新戦略による減少

営業利益
1,863 1,960 5.2%
 eコマース新戦略による
 費用の増加

経常利益
1,886 1,968 4.3%
         -

当期純利益
1,150 1,259 9.5%
 投資有価証券の売却
単位:億円

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