Googleでプライバシー問題に関する主席顧問を務めるPeter Fleischer氏によると、議論を呼んでいる欧州連合(EU)のプライバシー関連法は、1世代にわたってデータ保護法を根本的に変えようとするものだったが、すでに「頓挫」しているという。
Googleのグローバルプライバシー担当顧問であるFleischer氏は、個人ブログで次のように述べている。「今後20年間にわたってプライバシー関連法を改正するという欧州の法案は、前評判は非常に高いものの不備な点が多く、もう潰れている」
この法案は、EU市民の個人データを適切に保護しなかった場合、法に違反した企業に対して最高1億ユーロ(約1億3600万ドル)の罰金を科す権限を規制当局に与えるというものだ。EUは2013年10月に、2014年という同法可決の最終期限を延長するよう求めた英国の要請に同意した。
EU側は、この法案に関するFleischer氏の悲観的な見解とは異なる考えを持っている。
この法案を支持するドイツの「緑の党」のJan Philipp Albrecht議員は、欧州議会においてこの法案の審議を主導してきた人物だが、Googleがこの法案を潰すために「何億ドル」もの金をロビー活動に注ぎ込んでいると非難している。Albrecht議員はBlooombergに対し、このブログ記事は「頓挫したと主張することによって、このデータ保護法を潰そうとするFleischer氏の新たな試み」だと語った。
Fleischer氏は同じブログ記事の中で、「想像もできないような規模と範囲で政府が実施してきた国民の監視活動に対して、世界の目を開かせた」として、情報をリークしたEdward Snowden氏を賞賛し、各国政府が2014年にスパイ活動に関する戦略を本当に変更するのかどうか疑わしいという見方を示した。また、EU法の改正により、EUの議員が「もっとバランスのとれた現代的なより良い」法を作ることを「期待している」と述べた。
「次に登場するものは、どのような法律であっても世界で最も重要なプライバシー関連法となり、国際標準を定めることになる」(Fleischer氏)
EUの司法担当委員Viviane Reding氏は現地時間1月7日の演説で、半年ごとに加盟国が輪番で務めるEU議長国を現在務めているギリシャは、この法案に関して議論を続ける計画だと述べた。
Googleはこの件に関して、コメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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