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ヤフーがベンチャーと目指すのは「事業シナジーを含めた圧倒的な成功」--大矢氏、小澤氏

岩本有平 (編集部)2014年01月09日 10時00分
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 2013年2月に、「Yahoo! JAPAN提携・出資説明会 2013春」を開催したヤフー。これまで経営陣やサービス担当者など、属人的なネットワークを通じて提携、出資をしているケースが多かった中、広くパートナーを求める“窓口”を作った。

 1年目の成果としては、YJキャピタルがレアジョブに出資をしたほか、現在資本業務提携について話を進めている企業が1社ある状態だという。

 同社は2014年2月に、第2回となるイベント「Yahoo! JAPAN提携・出資説明会 2014春」を開催する。イベントの意図、そしてYJキャピタルの1年間の活動についてヤフー執行役員CFOでYJキャピタル代表取締役の大矢俊樹氏とヤフー執行役員 ショッピングカンパニー長でYJキャピタル取締役COOの小澤隆生氏に聞いた。

--1年目の説明会からは2社への出資が決まりました。

小澤氏:本当は10社くらいあれば良かったのですが、オープンしたばかりだとこの程度かな、と思っています。それでも成果が出て良かった。


ヤフー執行役員 ショッピングカンパニー長でYJキャピタル取締役COOの小澤隆生氏

 出資のきっかけですが、誤解を恐れずに言えば、レアジョブには会いたいものの会う機会がないと思っていました。そうしたら彼らが説明会に来てくれたの話が進みました。こちらが一方的に興味を持っていると思っていたのですが、実は先方も興味を持ってくれていました。

--第2回の説明会について教えて下さい。

小澤氏:前回はカンパニー長が各事業のプレゼンしましたが、今回はパートナーとのパネルディスカッションなどを予定しています。前回に引き続いて、我々が事業についてピッチさせて頂きます。ベンチャーにピッチをしてもらって、「いい」「悪い」というのではありません。

 前回の参加者は7割がベンチャーでした。説明会の話を聞いて頂くと、ヤフーのことは全部分かるようになっています。ヤフーとの接点を見出してもらえるのであれば、規模にはそこまでこだわっていません。

--前回の説明会後、提携はうまくいったのでしょうか。

小澤氏:正直なところ、それは前回の課題の1つだと思っています。提携は年間30〜40件もやるものではありません。月に1件出るか出ないか。その半分がこの説明会から始まったというようになるのはなかなか難しい。

 ですが、1つやって良かったと思えるのは、ヤフーがやっていることについて話をさせて頂く機会ができたということ。IRで話すことはあっても、対企業、対パートナーで話すようなことはありませんでした。人脈やコネだけで提携をやっていくよりも、継続性、再現性があることは大事だと思っています。

 成果が上がる年も上がらない年もあると思いますが、続けていく意義があるでしょう。1年に1回説明会があれば、例え社長が変わったとしても「今度のヤフーの社長はこう考えているのか」と分かる場になります。

--YJキャピタルの1年を振り返って、手応えを教えて下さい。

大矢氏:2013年12月までで、累計12件の出資をすることができました。小澤の人脈によるところが大きいですが、いい出資ができたと思っています。

 もともとの発想は、今すぐヤフーの事業にシナジーがあるかどうか、提携があるかどうか分からないが、有望なネット企業に対して広く出資して協力し、緩いパートナーシップを築くというところです。

 すでに2014年のIPOも見えている会社もいます。パフォーマンスも良く、ファンドとしてはうまくいっています。

 課題としてあるのは、お金(出資)以外でのヤフーとしてのバックアップです。アドバイスをしたり人を紹介したりはできますが、やはり事業会社がベンチャーキャピタル(VC)をやる意味合いを体現していきたいと思っています。


ヤフー執行役員CFOでYJキャピタル代表取締役の大矢俊樹氏

--Yahoo! Japanの膨大なトラフィックに期待を寄せるパートナーが多いのではないでしょうか。

大矢氏:ご期待頂くのはそこが非常に大きいのですが、ここはメディアとして(協力)できる場合とできない場合があります。今後、事業シナジーを含めた“圧倒的な成功案件”を作ることができればいいと思っています。

小澤氏:お金以外の魅力は、「お互いにとってメリットになる事業提携をどう作れるか」というところにあります。もちろんトラフィックの話はありますが、例えばアドテクノロジーの一部をパートナーによって補完できないかといった話や、ある事業領域を任せられないかといった話があります。

 極端にそれを実行しているのはコミュニティーファクトリーでしょう。事実上、買収した会社に(ヤフーの)スマートフォンアプリ開発を任せています。同社は提携ではなく買収しましたが、投資先でもこういったことはあり得ると思っています。我々には事業がある。だからこそ投資先に事業を任せられる。これは通常のVCにはできません。

 ただ課題はあります。投資先と事業で連携していますが、それが「株価5倍」といったインパクトを出しているかというと、難しいと認めざるを得ません。

--YJキャピタル設立で大矢氏は「機動性やスピードを重視する」と言っていました。今ではヤフー本体が“爆速”になっていますが、スピード感についてどう考えているのでしょう。

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