大矢氏:それは圧倒的にはファンドの方が早いです。ファンドにして良かったと思っています。意思決定も基本的に我々2人で行っています。
小澤氏:投資した後のモニタリング、トラッキングについても違いがあります。本体出資の場合、事業シナジーを求めているのでものすごくP/L(損益)を意識しますが、YJキャピタルでのベンチャー投資ではそこまでではありません。
ただ、張る(投資する)以上は全部当てるつもりです。CVCの投資リターンというのは、2つあると考えています。キャピタルゲインと、事業シナジーから生まれるリターンです。後者で言えば、投資先のテクノロジーを使うことで我々が大きくなるなら正直それでいいのです。
小澤氏:弱いと考えているのはコマースです。
また、「今更か」と言われてもゲームはやらないといけないと思っています。あとは広告。ジーニーやフリークアウトにも出資していますが、引き続きやっていきたい。そのほかスマホ領域も見ています。(コミュニティーファクトリーは)社内に完全に取り込んでいますが、ものすごくいい。そのほか、CNET Japanにもコメントしましたが、死に関する領域も注目しています。
さらに暇つぶしとコミュニケーション領域もあります。これはうまくいっていません。カカオトークもLINEと溝が空いてしまっています。ここの領域は当たり外れも大きいので、投資でやっていけばいいかもしれないと考えています。
大矢氏:やはり経営感覚でしょう。経営ってある意味だと投資判断の連続です。素養も大事ですが、経験をこなした回数も大事になります。
小澤氏:(グロービス・キャピタル・パートナーズの)仮屋薗(聡一)氏や(East Venturesの)松山(大河)氏、インキュベイトファンドの4人などはすばらしいと思っています。ではあの人達はみな起業家なのかというと違います。ですが、例えばインキュベイトファンドの村田(祐介)氏などは、ゲーム領域の投資で当てまくっています。
それはつまり、「その業界に対して知見がある」ということです。だから成功のパターンも分かっている。これは経営力があるというのと近い意味合いがあります。成功のパターンが最低1個、できればたくさんあればいい。
そういう“勝ちパターン”がないと投資先の経営者とも議論ができないし、言うことを聞いてもらえません。必要十分条件ではありませんが、それがあるといいと思っています。
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