新しい「Mac Pro」のデザインと価格については、Appleに好意的な人の間でも否定的な人の間でも意見が二極化しているが、1つ確実に言えることがある。Mac Proの売れ行きは好調だ。米国時間12月19日発売時の出荷予定日は12月30日だったが、その後、この円筒形デスクトップの出荷予定日は既に2014年2月まで延期されている。
「刷新されたMac Proに対する需要は非常に好調であり、供給が需要に追いつくまでにしばらく時間がかかる見込みだ」とApple広報担当者はForbesに語った。Mac Proは米国製だ。テキサス州オースティンで製造され組み立てられている。Appleの簡潔な回答からは、米国内で製造するという決断が発売直後の品不足に影響を与えているのか、それとも製造台数を抑えたことが間違いなのかをうかがい知ることはできない。
しかし、Apple製品が発売直後に品薄になるのは初めてのことではない。アジア全域にわたる堅牢なサプライチェーンを持っているにもかかわらず、「iPhone」は新しいモデルが発売される度に、需要が殺到して最高機種(例えば2013年秋の場合は「iPhone 5s」)の在庫が発売後最大数カ月間にもわたって品薄状態になる。
デスクトップについても、Appleはこれまでに同様の問題に遭遇している。2012年終わりに発売した新しい「iMac」は、何週間にもわたって供給不足が続き、同社最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏が過失を認めるという異例の事態につながった。「しかし、率直なところ、時間を巻き戻すことができるとすれば、iMacの発表は年明け以降にしていただろう。顧客がこの特定の製品を待たなければならない時間があまりにも長すぎたと感じたためである」と同氏は、同社の第2四半期決算報告後の電話会議でアナリストらに述べた。
その発言からは、在庫不足になることが事前にある程度わかっていた可能性があるにもかかわらず、2013年10月に自信を持って宣言した米国生産のMac Proの年内発売を遅らせるわけにはいかないとCook氏が考えたように思われる。
在庫不足はさておき、Mac Proは、これまでで最も意見が分かれるApple製品の1つになりそうだ。ごみ箱だという意見と宇宙船だという意見の両方が過熱している。米CNETでは、読者の意見は半々といったところだ。最近の投票調査では、回答者の53%がMac Proは価格が高すぎると思うと述べ、32%が用途によっては妥当な価格かもしれないと述べた。適正価格だと思うと回答したのはわずか14%だった。
Apple側からすれば、妥当な結果だろう。最も熱心なファンに対しても、9600ドルにもなり得るコンピュータを購入することが浪費ではないと納得させるのは容易ではないからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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