“仕事で役立つ”お勧め書籍10選--2013年総まとめ

 ほぼ毎週1冊の本を紹介しているブックレビューだが、2013年も素晴らしい本との出会いが数多くあった。どのような本からも、何かしら得るところはあり、絞り込むのはなかなかに難しいのだが、2013年の総括として、年が明けても読んでおきたい10冊を厳選した。


ハーバード流 自分の限界を超える思考法

◇ハーバード流 自分の限界を超える思考法(アチーブメント出版)

 「自分の限界」は自分自身が勝手に決めてしまっているものであり、思考次第でその限界を超えていくことができるのだと、勇気を与えてくれるのが本書だ。消化器外科の著者による言は、単なる精神論に終わらない。著者自身が体験した新たな手術法の習得過程や、執刀した患者の術後の回復速度の違いなど、説得力のある事例により、思考と行動によっていかに人間の能力に影響を及ぼすものかがよく分かる。従来からの自分にしがみついてしまって、次の1歩を踏み出せない人に読んでもらいたい。


WILLPOWER 意志力の科学

◇WILLPOWER 意志力の科学(インターシフト)

 1日の活動を終えて消耗しているのは、体力だけではない。「意志の力」も消耗するのだ。何かを我慢することに意志力を使えば、次第に意志力は弱まり、他愛のないことでもよく考えなくなり、けんかをしたり、どか食いをしたりしてしまうという。いかに重要な地位にある人でも、大変な決定をし続けていれば、次第に疲れてどうでもよくなってくるのだ。「意志力は消耗する」ことを正しく認識し、栄養と睡眠を適切に取るようにする必要がある。


スマホ時代のタスク管理「超」入門

◇スマホ時代のタスク管理「超」入門(東洋経済新報社)

 タスク管理のプロである著者2人が、タスク管理の本質について書いた本。スマートフォンによって、毎日の行動記録をつけたり、ToDoや予定を参照したりすることは、やりやすくなった。しかし、ツールを使うことばかりが先行してしまい、記録をつけたり、チェックリストを作ったりする目的やメリットがはっきりしないままの人もいるだろう。そのような「タスク管理初心者」にぜひともお勧めしたい1冊。自分はタスク管理で何をしたいのか、そしてどうすればいいのかが分かる。


学び続ける力

◇学び続ける力(講談社)

 「試験勉強のしかた」ではなく、本当の意味での「学び方」が分からないまま今に至る人にとって、本書は必ずや参考になるだろう。なじみのない、まったく新しい分野の勉強を始めるときにやるべきことや、本の読み方など、具体的な勉強のしかたを教わることができるのはもちろん、強制されなくても学び続けてしまう、その原動力についても知ることができる。なぜ学び続ける必要があるのか、専門分野のみならず「教養」を学ぶ意義はなんなのか、「学ぶ」こと全般について考え直すきっかけになるはずだ。

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