毎週1冊ずつ、お勧めの本をご紹介しているブックレビューのコーナーも、早いもので4度目の夏を迎える。今年1~6月に登場した本は全部で25冊。その中から、暑さも吹っ飛ぶ勢いの10冊を厳選して、改めて紹介したい。
「超」整理手帳で知られる野口悠紀雄氏によるクラウド利用指南書。スマートフォンとクラウドの活用によって、時間を有効に使い、スムーズに仕事をすることに対するメリットが数え切れないほど挙げられている。iOSアプリ版と紙の「超」整理手帳を併用するスケジュールとメモの管理方法を始めとする仕事術が参考になるばかりでなく、今後の社会に対する洞察が、自分の働き方を見直すきっかけを作るだろう。
ビジネス系SNSのLinkedIn(リンクトイン)について、実践的で分かりやすくまとめられている。会社勤めでもフリーランスでも、個人の能力が重視される昨今、自分のしてきたこと、自分のできることを外部でアピールすることに加えて、自らの仕事に関わる情報を外部から収集したり情報交換したりすることが大切だ。本書ではLinkedInの効果的な使い方も分かる。
ソーシャルメディアを利用して学ぶ「ソーシャルラーニング」によって、自分一人では知り得ない知識を学び、知恵を生み出せるようになった現在。Twitterで疑問をつぶやいただけで、すぐさま答えが返ってくるというような体験を基に、企業内でもSNSを利用した学びが広がっている。セキュリティ面での検証も含め、トータルにソーシャルラーニングの現状を把握するのに適した1冊。
「頭の回転が早い」とは、新しいことを学んだら、自分のことに変換して捉えて実践できる能力に長けていることであるらしい。「頭の回転数をあげる」ために、ビジネス思考の基本的な型を、「守破離」の概念を使って説明し、実践まで導いてくれるのが本書だ。ビジネスを進める上で基本となるビジネス思考を教えてくれる会社などほとんどないだろう。本書で学んでおけば、気持ちがだいぶ楽になりそうだ。
元は新人記者に向けた記事だったという本書では、インターネットを使って、モノ、人、情報にどのようにアクセスするのか、また、収集した情報をどのように活かすのかが丁寧に説明されている。書かせない「ネタ元」の確認のほか、プライバシーや著作権といった繊細な問題についてもきちんと知ることで、正確な記事を書くための下地ができる。
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