気が付けば、2012年も瞬く間に過ぎてしまった。毎週1冊ずつというのんびりしたペースではあるが、全部で49冊の本を紹介できた。今回は、2012年下半期総ざらいということで、7~12月に紹介した本の中から、いずれも、読むたびに多くのことを考えさせられる、お勧めの10冊を改めて紹介したい。
今の仕事を辞めて新しい職に就いたら、今よりもっと過ごしやすい職場で、自分の能力が存分に発揮できて、収入も上がるのにと、考えることは誰にでもある。しかしグチばかり吐き出して、現在の状況そのものに対する意識を変えようと努力しないまま転職しても、結局のところ数カ月後には、まったく同じ不満を抱えることになるのだ。本書のトレーニングを実践すればほんの少しずつでも、現在しぶしぶやっている仕事が「やりたい仕事」に変わるかもしれない。
音楽、アート、映画、文章といった他人の作品を盗む海賊行為は許されるものではない。しかし、海賊行為から始まったものの、爆発的に人気が出て、新たな市場を形成する場合もある。音楽でいえば人の音楽を集めたリミックスやヒップホップがそれにあたる。不正だったものがいつしか本家に勝る人気を獲得し、利益を生むようになったとき、海賊は無視できない存在となる。本書で語られる解決策は、本当に解決策となりうるのか。
資料を作るからには、読み手に内容を分かってもらえなければ意味がない。仕事の場合、資料を見た相手を動かす必要もある。それなのに自分だけが分かっている独りよがりの資料を作っていたとしたら、まったくの時間の無駄だ。実のところ効果的な資料の作成方法は、きちんと教わらなければ身につかない。しかし心配はいらない。本書はいつでも身近にいてくれる先生のようなものだ。本書で資料作成の基本を学び、相手から望むレスポンスを引き出す資料を作れるようになろう。
マインドマップに関する本は、分厚くて堅いイメージのものが多いが、本書は、日常的に気軽にマインドマップを書けるようになるための一冊だ。マインドマップって、こんなに身近で簡単なものなのかと、驚くかもしれない。取り上げられている例は、生活の不安に関することや買い物に関することなど、自分にも「あるある」と共感できる内容が多い。デザイン性に富んだマインドマップよりも、普通の人が書いたマインドマップが多く掲載されているため、「こういうことなら自分も書ける」と思えるだろう。マインドマップを始めてみたい人にお勧めだ。
ゲーム的な要素を仕事に持ち込み、社員のモチベーションをアップさせ、仕事の効率を上げる「ゲーミフィケーション」という手法が注目されている。お客様を大切にするためには、まず社員を大切にするという考えがあってのゲーム性であり、単にゲーム感覚を取り入れれば良いということではない。本書では、ディズニーランドやリッツカールトンなどのトップ企業が実際に取り入れている方法を例に、自社の社風に合わせて、仕事にゲーム性を取り入れられるようにする方法を数多く提示している。
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