パリ発--「Google+」を利用した広告が登場した。といっても、Google+というソーシャルネットワーク上での話ではない。
「+Posts」という名称のこの広告は、Google+テクノロジを用いることで、動画や画像とGoogle+のコメントシステムを組み合わせられるようになっている。しかしその広告は、Google+のページ上に表示されるのではなく、Googleのディスプレイ広告ネットワークを通じて配信される。
Google+の責任者であるBradley Horowitz氏は当地で開催中のLeWebカンファレンスにおいて、現地時間12月10日に登場したこの新たな広告テクノロジを紹介するなかで、「これはGoogleディスプレイネットワークを通じてユーザーをエンゲージする新たな手段だ」と述べた。また同氏は「単なるディスプレイ広告やトラフィック生成広告とは異なり、よりリッチなエンゲージメントが可能になる」と述べ、人々が広告の上にマウスポインタを移動した際に広告領域が拡大し、動画の再生やコメントの追加が可能になると語った。
Googleの売り上げのほとんどすべては広告収入であり、同社はオンライン広告市場で大きなシェアを誇っている。このため同社の新たな広告フォーマットは、より多くの企業がGoogle+を活用するようになった場合に特に重要なものとなる。また、人々が広告を見て何らかの行動に実際に出ることで、Googleはそれらの人々の興味についての新たなデータを入手できるようになる。
Horowitz氏は、+Postsが待ち望まれた広告フォーマットだと確信している。つまり、人々はかつてないほど忙しい生活を送るようになっているが、それでもこれが興味を示す対象になるだろうというわけだ。
(ブランドにとって)人々の心をつかむというのは、どんどん難しくなってきている。皆が人々の興味という貴重なリソースを奪い合っている状態だ(中略)ブランドを訴えかける方法が、放送媒体から会話や対話、オプトインマーケティングへと移ってきているというのは誰もが分かっている。これは最終的に、ブランドや企業にとって望ましいことだ。
Google+の広告作成は簡単だ。Google+へ投稿するだけで作成でき、Googleの既存ツールを用いて特定の顧客層をターゲットにしたり、分析により広告をトラッキングすることもできる。
広告にコメントを書き込めるようにすることで、企業は否定的なコメントと向き合う覚悟が必要となるのはもちろんだ。しかしHorowitz氏によると、それはこの頃では当たり前の話だという。同氏は「コメントを過度にえりすぐったり、手を加えることはできない」と述べている。
米トヨタ自動車やMondelez、Ritz Crackers、英Cadburyといったいくつかの企業は、この新たな広告フォーマットを利用し始めている。Horowitz氏は+Postsの利用が次の四半期で他の企業にも浸透していくだろうと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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