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スマホの“体験”をシニアにも--ドコモのらくらくスマホ戦略

藤井涼 (編集部)2013年12月13日 09時00分
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 スマートフォンの普及や通信技術の発展によって、ITは音楽や映像などのデジタルコンテンツを楽しむためのものから、より多くの消費者の生活を便利に、そして豊かにするツールとして進化を遂げつつある。この連載では企業のウェブでの取り組みを通じて、それぞれの領域におけるテクノロジの持つ可能性について考える。

 今回のテーマは“シニア”。日本は少子高齢化によって、国民の4人に1人が65歳以上であると言われており、この比率は今後さらに増加する見込みだ。そのため、リアルのみならずウェブにおいても、シニア層に向けたサービスや機能へのニーズが高まってきている。

  • NTTドコモ マーケティング部マーケティング戦略担当の原田伸也氏

 6000万人以上の顧客を抱える国内最大の通信キャリアであるNTTドコモ。同社には10年以上継続して利用しているユーザーが多く、その平均年齢も他キャリアと比べると高い。そのため、いち早く50代以上をターゲットにした製品やサービスを提供してきた。最も代表的な製品が主に富士通とともに開発してきた携帯電話「らくらくホン」シリーズだ。高齢者でも簡単に操作できるよう、ボタンキーや文字のサイズを通常の端末よりも大きくし、通話やメールといったシニア層がよく使うであろう機能を厳選して搭載しているのが特徴だ。

 1999年に初号機が登場して以来、ほぼ毎年新モデルを発売しており、2011年にはシリーズの累計販売台数が2000万台を超えた。NTTドコモ マーケティング部マーケティング戦略担当の原田伸也氏によれば、一般的な携帯電話は発売時をピークに売上げが減少していくが、らくらくホンは敬老の日や誕生日など、記念日に買いに来る顧客も多いため、安定して売れ続ける傾向にあるという。

らくらくホンの使いやすさをスマホにも

 フィーチャーフォンを中心に展開してきた“らくらく”シリーズだが、スマートフォンも使いたいというシニア層のニーズに応えるため、2012年から「らくらくスマートフォン」(らくらくスマホ)の販売も開始した。らくらくホンの機能や使い勝手を受け継いだモデルで、タッチパネルをボタンのように軽く押し込むことで反応する設計にし、フィーチャーフォンから移行したユーザーでも違和感なく使えるようにしたほか、使う人の年齢に合わせてディスプレイの色味や通話時の音声の聞きやすさを自動調整する機能も備えた。

  • 2013年夏モデルの「らくらくスマートフォン2」

 スマートフォンの魅力のひとつは、アプリストアから好みのアプリを自由にダウンロードできること。しかし、IT機器が苦手な人からすると、アカウント登録の煩わしさやウイルスアプリへの感染の不安などが障壁になっていることも多い。そこで、らくらくスマホでも、あらかじめシニア層がよく使うあろうアプリを内蔵している。たとえば、乗換案内、電卓、辞書、メモ、目覚ましといった日常生活で役立つ機能や、歩数計や血圧手帳などの健康機能などだ。

 もちろん、内蔵されたアプリだけでは物足りないというユーザーもいるだろう。そこでドコモでは「dマーケット」や「Google Play」などに対応した「らくらくスマートフォン プレミアム」も並行して販売している。最近では「LINE」で家族や孫とコミュニケーションをしたいというシニア層も増えていることから、課金機能などを制限したらくらくスマホ専用のLINEアプリの提供も開始した(「らくらくスマートフォン プレミアム」には非対応)。

 そして、らくらくスマートフォンを語る上で欠かせないのがSNSサービス「らくらくコミュニティ」の存在だ。食や健康といったテーマごとに広く情報交換できる「みんなの掲示板」や、同じ趣味趣好を持つユーザーと語り合える「サークル広場」によって構成されており、それぞれの投稿に対して「拍手!」ボタンでリアクションをしたり、イラストを付けてコメントを残したりできる。

 ユーザーはシニア層が中心であるため、TwitterやFacebookなど他のSNSにあるような誹謗中傷のコメントはまず見られない。また、専門スタッフがセールスや勧誘など不適切な書き込みがないか24時間体制でチェックするほか、バナーなどの広告も表示されないため、SNSの利用に対して不安を持っている高齢者でも安心してコミュニケーションを楽しめるようになっている。実際にサービス内では活発な意見交換が行われており、シニア層向けの独自のSNSとして進化を遂げつつある。

  • SNSサービス「らくらくコミュニティ」

  • テーマ別で情報交換できる「みんなの掲示板」

  • 投稿に対してイラスト付きのコメントなどを残せる

 サポート面にも注力しており、操作方法が分からなくなったユーザー向けに専門のアドバイザーが無料で操作方法を教えてくれる「らくらくホンセンター」や、オペレーターが端末を遠隔操作する「スマートフォンあんしん遠隔サポート」(月額420円)を提供。フィーチャーフォンからスマートフォンに機種変更する際に懸念される月額料金についても、専用のパケット定額サービス「Xiらくらくパケ・ホーダイ」を用意することで、低価格でスマートフォンを利用できるようにした。

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