パリ発--「Ubuntu Touch」が初めての顧客を獲得したことが米CNETの取材で明らかになった。
Canonicalはこのほど、同社のモバイルOSを搭載するスマートフォンの提供に向けた初めての契約を締結したと、Canonicalの創設者で製品戦略担当のMark Shuttleworth氏が当地で開催のLeWebカンファレンスにおけるインタビューで明らかにした。同氏は、LinuxベースのOSであるUbuntu Touchの搭載に合意した企業名を公表することを避けたが、ハイエンドスマートフォンが2014年に提供される予定だと述べた。
「携帯電話に搭載したUbuntuを出荷するという初めての契約を締結した」とShuttleworth氏は述べた。「われわれは、『概念を創造する』という段階から『出荷がなされる』という段階への移行を果たした。これは、当社チームに多大な影響を与える」(Shuttleworth氏)
また、Canonicalは他の企業数社とも取締役会レベルで協議中だと同氏は述べた。「著名なブランド4社との間で現在、ほぼ取締役会レベルで協議している。これらのブランドは、企業から一般消費者まで、新興市場と先進市場の両方を含む世界中で多数の携帯電話を販売している」(Shuttleworth氏)
9年前に設立され、Linuxディストリビューションの1つであるUbuntuを専門に扱ってきた企業としては、著しい進展だ。しかし、Googleの「Android」とAppleの「iOS」が独占する市場にわずかに食い込むという目標さえ、達成までの道のりは非常に遠い。
Shuttleworth氏は、現在市場を独占する多大な勢力を考慮しなければならないことを知っている。加えて、Microsoftによる「Windows Phone」、サムスンとIntelによる「Tizen」、Mozillaと多数の通信事業者パートナーによる「Firefox OS」といった、それよりも勢力の小さいOSもある。しかし、Ubuntu Touchは、柔軟性の高いプログラミング基盤を根底に持ち、没入型のサービスを第一としたインターフェースを上層に備えることから、居場所を見つけるだろうと同氏は考えている。
「数量が重要である。われわれは人々が毎日使うものに取り組みたい」と同氏は述べた。同氏は、Ubuntuがモバイル市場の小さなニッチ分野だけで使用されるという状態を望んではいない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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