ソニーのSmartWatch 2の試用を終えたとき、それで実に多くのことができることに筆者はうれしい驚きを感じた。このデバイスによって、筆者は1日のうちに自分の携帯電話に飛びつく回数を減らせただろうか。驚いたことに、答えはイエスだ。重要なテキストやツイート、着信を自分の手首のところで見ることができただけでなく、優先度の低いメッセージを無視することもできた。シャワー中に着信メッセージを読むことには、ひねくれて聞こえるかもしれないが、奇妙な喜びを感じると認めよう。
残念ながら、従来のスマートウォッチの多くと同様、SmartWatch 2はどんな場合でもうまく機能するデバイスとは言えない。ソニーは、この新しい腕時計型のガジェットが「完璧なAndroid対応ワイヤレスアクセサリ」だと宣伝しているが、筆者の経験では、それが当てはまるのは最新の「Xperia」スマートフォンを使っている場合だけだ。
例えば、SmartWatch 2では、Bluetoothのペアリングを簡単に行えるように、近距離無線通信(NFC)を採用している。理想的には、この(電源を切った状態の)デバイスの背面で、Android 4.0以上が稼働するスマートフォンをタッチするだけでいい。そうすると、SmartWatch 2の電源が入り、同時に携帯端末ではGoogle Playストアが開いて、ソニーの「Smart Connect」アプリのダウンロードが始まる。デバイス同士を再度タップすると、スマートフォンではさらに、ワイヤレス接続を簡単にするためのSmartWatch 2アプリのインストールが始まる。
しかし、筆者がSmartWatch 2をサムスンの「GALAXY Note 3」と一緒に使ったときには、こうしたことは何も起こらなかった。筆者は必要なソフトウェアをすべて探して、ダウンロードしてインストールし、デバイスのペアリングを手動で行う必要があった。さらにペアリングプロセスを正常に開始するために、SmartWatch 2を数回リブートするというステップも必要だった。最終的にはうまくいったが、ソニーの「Xperia TL」をテスト用のスマートフォンとして使ったときほど簡単にはいかなかった。
筆者が直面した別のやっかいな問題は、このスマートウォッチの音楽プレーヤーだ。このソフトウェアは、スマートフォン本体のオーディオアプリにコマンドを出すように作られているが、残念ながら、どの音楽プレーヤーを使うか選ぶことができない。GALAXY Note 3に搭載された標準のサムスン製音楽プレーヤーを、このスマートウォッチの小さなスクリーンから完全に操作できることもあった。一方で、スマートウォッチのディスプレイ上の楽曲をフリップしていくと、スマートフォンに搭載されている別の「Google Play」音楽アプリが起動して、楽曲をランダムに再生し始めることもあった。そういう思いがけない動きに論理的なパターンは見つからなかった。(スマートフォン上の)SmartWatch Music Playerアプリの中には、既定のオーディオソフトウェアとして「標準」か「自動」のいずれかを選ぶ設定があるが、その名称は決して分かりやすくはなく、効果があるようには思えなかった。
SmartWatch 2のバッテリ持続時間について、ソニーは「通常の使用で」3日から4日と言っているが、それほどの長さはない。筆者は、Bluetoothと通知をオンにした状態では、だいたい24時間おきにこのガジェットを充電しなければならなかった。このスマートウォッチの充電は早く、約30分でフル充電になる。
奇妙な動作や手動でのBluetooth設定という問題はあるものの、199ドルのソニーのSmartWatch 2は、筆者が長い間腕時計型端末を使ってきた経験のなかで最高のものの1つだ。確かに、スマートウォッチのように誤作動や失敗、そしてまったくの不良品であふれた新しい製品カテゴリの中では、それも当然のことだ。しかしSmartWatch 2は、先行モデルである、初代「SmartWatch」よりも安定していて便利だ。実際に屋外でも見やすくなった。急に動かなくなったり、リブートしたりすることもなくなった。
それは、販売中のハイテク時計としても2番目に良いものだ。299ドルと値段の張るサムスンのGALAXY Gearには、ソーシャルメディアの通知や、本物の「Gmail」通知の機能がないが、SmartWatch 2はそれとは違い、そうした機能に対応している上に、(理論的には)Android 4.0(Ice Cream Sandwich)以上を搭載するすべてのAndroidスマートフォンと連携させることができる。しかし、価格が149ドルと最も安いPebbleが相変わらず一番お買い得な製品だ。50ドル安いPebbleのほうが、バッテリ持続時間が長く、時計盤の数も多いうえに、「iPhone」ともペアリングできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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