関口氏:今後「こうやるとメディアは儲かるのではないか」ということは何か。
佐々木氏:東洋経済オンラインでは今は広告。有料モデルは当面はない。メーター制(一定量のコンテンツまでを無料で提供する)なども研究したが、今の我々のユーザーベースだと人がいなくなって終わり。機はまだ熟していない。
米国のような課金モデルも来ると思う。でも勝てるメディアはあまりない。紙の実績、経済や地域などに特化していること、ネットでの実績が必要。毎日新聞がオンラインの課金を始めたが勝てないと思う。
藤代氏:コンテンツを売るだけではもうダメ。NHKや日経など詳細な情報が出てくるところくらい。全国紙なども淘汰されるのではないか。
そのかわり、兼業で小さなコンテンツを出すというものは出てきている。社長がブログ書くとか、業界のために識者が書くとか。
Googleがジャーナリスト育成にお金を出すようになってきた。コンテンツをアグリゲートする人達がお金を出す時代になってきている。いいコンテンツを出せば(ジャーナリストも)アグリゲーターも儲かるという時代にしていきたい。
関口氏:Yahoo!ニュースは有料にしないのか。
友澤氏:個人の方が儲けるにはあると思うが、それが何十億、何百億円になるかというと難しい。あえてリアルで限定刊を出すとか、「早くやって早く撤退する」くらい(で試すの)がいいと思う。
古川氏:物販に興味がある。
モノを売るのが簡単になってきている。また、ネットと物販の相性はいい。「ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)」などは、広告ではなく手帳やタオルを売っている。これが小さいメディアでもできるのではないか。収益がむしろコンテンツよりそちらで出てくる。
質問:ネットで情報を配信していくと読者の反応がダイレクトに見える。そこでこびを売りたくなるところの心の葛藤をどうとらえているか。
古川氏:僕が一番こび売っていると思いますが(笑)
ただ、ユーザーの求めているものから作っていくとダメになってしまう。読者を啓もうしていかないといけないと思っていて、最近はそこに注力している。
関口氏:日経新聞でもランキングが出ること、読者迎合型になってしまう。記者もそれを意識して書くようになる。新聞はいい意味で上から目線なものだが、そういうところに危機感を感じる。
佐々木氏:ページビュー(PV)至上主義からどう脱出するか。特にジャーナリズムについては、PV以外で評価するメカニズムを作らないといけない。
友澤氏:すごく賛成する。メディアを「見える化」しているつもりだが実はできていない。(メディアの価値は)広告効果だけではないので、クリエーター育成も含めてやっていかないといけない。
質問:ネットメディアをやって、読者の求めているものが見えてきたか。
佐々木氏:記者がオンラインに書いてくれる動機は「ヤフトピ」。紙メディアに書いても反応がないが、ここに掲載されることで自分が「業界を動かしている」という感じがある。
藤代氏:数字は数字として見るが、最近は見過ぎないようにしている。リアルで会うことが重要になってきている。実はサイレントマジョリティーが一番怖い。(ネット上で)話している人はノイジーマイノリティかも知れない。
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