米連邦判事がこのほど、サムスンによる緊急の申し立てを棄却した。この申し立ては、主要な特許の有効性が再審査されている間、知的財産侵害に対する損害賠償訴訟を中断するよう求めるものだった。
陪審員団は2012年、サムスンがAppleの「iPhone」のデザインや機能に関連する知的財産5件を侵害したとの判断を下した。その後、判事は当初の賠償額のうち約4億5000万ドルを無効とし、新たな審理で損害賠償額を再計算するよう命じた。これを受けた陪審員団が、すでに同社が一審で科された6億ドルに加えてAppleに支払うべき金額について審議していたさなか、サムスンは米国時間11月20日に異議申し立てを行った。
サムスンは、「ピンチズーム」特許としても知られるAppleの特許(米国特許番号7844915)の有効性を米特許商標庁(USPTO)が疑問視していたことを理由に、この裁判を保留にするべきだと主張した。同特許は、ユーザーが複数の指を近づけたり離したりすることで拡大や縮小の操作を行える方法を対象にしたもので、Appleが逸失利益を回収できる唯一の特許であるため重要と考えられている。
サムスンは、「(USPTOによる)この判断は、損害賠償訴訟における陪審員団の決定を危うくするものであり、判決後のあらゆる手続きが時間やリソースの無駄になる可能性がある」と主張した。サムスンの申し立てが提出されたのは、知的財産侵害に対する追加の損害賠償でサムスンがAppleに約2億9000万ドルを支払う必要があるとの評決を、陪審員団が下した前日のことだ。Appleはこの申し立てについて、「良識の範囲を越えた」と反発した。
米連邦地方裁判所のLucy Koh判事は25日午後、サムスンの主張を却下し、最終判決は本訴訟で下された方が効率的だろうとの判断を示した。それによって、特許侵害訴訟における連邦地裁の判決を管轄する米連邦巡回控訴裁判所は、できる限り迅速に訴訟全体および関連特許の有効性を精査することが可能になる。
Koh判事は決定を示す文書で次のように述べた。「サムスンが真に効率について懸念しているのであれば、裁判所はサムスンに対し、判決後の申し立てを差し控えるよう合意することをAppleと協議するよう勧告する。それによって当事者らは、本訴訟全体を速やかに連邦巡回控訴裁に控訴できる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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