これまでに2億5700万ドルを調達しているファイルホスティングサービスのDropboxだが、自社の評価額を80億ドルとする大規模な資金調達ラウンドを実施して、その総額を2倍に増やすことを検討しているという。Businessweekが米国時間11月18日に報じた。
Dropboxは、2007年に「Y Combinator」から出資を受けて以来、テクノロジ業界の人気企業となっている。Dropboxは、11月に入って新規株式公開(IPO)を実施したTwitterに続く、次の大型IPOが予想されるIT企業として、常にその名がリストアップされている。Dropboxの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のDrew Houston氏もまた、消費者および企業顧客の日々の要望に応える能力を理由に自社を1990年代のMicrosoftになぞらえつつ、壮大な野心を抱いている。
したがって、Dropboxはまだ前回の資金調達ラウンドで得た資金をすべて使ったわけではないが、2億5000万ドルを調達する今回のラウンドによって、同社の業務計画(先週見直されたばかりである)をさらに推し進めるとともに、急成長を維持できる可能性がある。
ただし、今回のニュースは、シリコンバレー批評家たちにとって、良くないことの前兆と映るだろう。Dropboxは、最初の段階よりSnapchatよりも収益性が高いが、Square、Pinterest、Airbnbといった成熟しつつある新興企業と並ぶもう1つの企業だ。これらの企業が利益を得ている分野は、いずれはじける運命にある巨大なバブルだと一部では懸念されている。
だが、2億人を超える個人ユーザーと400万の企業を抱えるDropboxには実証済みのビジネスモデルがある。このモデルによって、今回の大規模な資金調達ラウンドを足掛かりにして、最終的にはIPOを目指していく可能性が十分にある。ただし、Houston氏はそうした計画をかたくなに秘密にし続けている。
Dropboxの広報担当者であるAna Andreescu氏はBusinessweekのAshlee Vance記者に対し、「われわれが言えるのは、2億人を超えるユーザーと400万の企業を抱えるDropboxは、ここまで強い勢いを維持してきたということだ」と述べている。
そうした勢いは、Dropboxに新興企業のスーパーヒーロー的なイメージを与える役割を果たしてきた。同社のユーザー基盤はこの3年間で10倍以上に拡大し、何億ドルもの年間売上高を上げている。同時に、Mailboxのような小規模企業の買収にも乗り出している。
同社の最大のライバルは、同じく若手で野心的なAaron Levie氏が運営する、エンタープライズ指向の強いBoxだ。Boxは、これまでに3億ドル超を調達しており、Dropboxより2年先行しているものの、ビジネス分野に注力していることなどから急激な成長を遂げるまでには至っていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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