引退を控えて最高経営責任者(CEO)として最後のひとときを迎えているSteve Ballmer氏が、長い間自らを世間の目にさらされないようにしてきた防護壁を取り払おうとしている。Ballmer氏はThe Wall Street Journal(WSJ)との極めて個人的なインタビューに応じ、たぶん時間が自分を追い越したのだろうと語った。
Ballmer氏は、米国時間11月15日に一連のインタビューとして掲載された記事の中で、「もしかすると、自分は古い時代の象徴なのかもしれない。だから、立ち去らなければならない」と感傷的に述べ、そのことを認めた。同氏は「自分のしていることすべてに愛着を持っているが、Microsoftが新たな時代に入る上で最善の方法とは、変革を推進する新しいリーダーを迎えることだ」と語った。
8月にBallmer氏は、12カ月以内にCEOを退任する意向を発表してテクノロジ業界と同社を驚かせた。今回の記事からは、苛立つ取締役会がBallmer氏に対して、縦割り組織の壁を壊すことを目的とした再編計画の実行を強く勧めていた様子が明らかになった。Ballmer氏はある時点で、そうした取締役会のスケジュール通りにこなせるかどうか疑問を抱くようになったとWSJに語っている。
「自分がどんなに急いで変えたいと思っても、従業員や取締役、投資家、パートナー、ベンダー、顧客といった、ありとあらゆる関係者からは、私の本気を信じることに対してためらいが出てくるものだ。私自身でさえ、そうなるかもしれない」(Ballmer氏)
5月にロンドンを訪れた際には、Ballmer氏は自身が指揮をとらないMicrosoftの姿を思い描き始めたと明かした。そうすることで、同社に求められている変革にはずみがつくかもしれないと、同氏は感じたという。
「結局のところ、われわれには形式を打ち破る必要がある。『現実を見ろ。私がその形式だ』とね」(Ballmer氏)
こうして、部下である幹部役員や一部の取締役との一連の話し合いが始まり、Ballmer氏はそこで自身の考えを伝えた。Ballmer氏はWSJに対し、6月にワシントン州ベルビューに取締役らが集まるときまでに、このニュースを正式発表すると伝えていた。「あと数年はここに留まりたい気持ちがあるが、一方で、私が変革に着手したのでは意味がないし、途中で(CEOとして)入ってくる人にとっても意味がないと思っている」(Ballmer氏)
Microsoftの取締役会は8月21日、Ballmer氏の引退を正式に承認した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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