ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.9)より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
9月の端末動向においては、なんといっても20日に「iPhone 5s」「iPhone 5c」が発売開始されたこと、また初めてドコモから発売されたことが大きな話題となった。従来と同様に「iPhone」は人気か、どのキャリアから購入するケースが多いのかなど、多数存在する注目ポイントを中心に、端末購入の動きを追ってみたい。
まずは9月の販売機種別ランキングに注目すると、最も購入された機種は、ドコモのiPhone 5sであった。遂にドコモから発売されたということで、iPhoneへ買い換えたドコモユーザーが多かったと想定される。次いでソフトバンクモバイルのiPhone 5sが続いており、上位モデルであるiPhone 5sに人気が集まっていることがわかる。
一方auにおいては、2012年に発売された「iPhone 5」がiPhone 5sを上回る動きが見られた。新規モデル販売を機に、既存端末を値下げするといった施策を実施しており、この効果が表れた結果となっている。ソフトバンクモバイルも同様の施策を実施しており、au程ではないものの、ある程度の効果を挙げている模様だ。
iPhone 5sと共に今回新たに発売されたiPhone 5cについては、機能的にはやや下がるものの、豊富なカラーバリエーションなど話題を集め、かつ報道にもあったように在庫も一定数確保していたようであるが、各キャリアともiPhone 5s程の人気には至らなかった。スペック的に上位モデルとなるiPhone 5sが上位に位置していることからもわかるように、やはり機能面で物足りなさを感じるユーザーも一定数存在したのではないだろうか。特に発売後すぐに購入するといったユーザーにおいては、携帯端末に対してのリテラシーが高いと思われ、スペックなどを重視する傾向にあったと想定される。
とはいえ、「iPhone」シリーズ全体として捉えると、9月においては「iPhone」シリーズが携帯端末市場を席巻したといっても過言ではないだろう。OS別シェアで見ると、9月における購入端末OSにおいて、iOSは実に全体の58.1%を占める結果となった。半数以上のユーザーが「iPhone」シリーズを購入したわけだが、特に10代においては、約8割ものユーザーがiPhoneシリーズを購入しており、若い世代におけるその人気の高さがうかがえる。今回同時に実施した「iPhoneユーザー利用・意識調査」においても、若い世代を中心に、その魅力として「おしゃれ、スタイリッシュ」といった要素が挙げられており(全体の約30%)、そのブランド力やファッションアイテムとしての存在も購入を強く促しているといえるだろう。
ちなみにひとつ前のモデルとなるiPhone 5が2012年9月に発売された際には、iOSのシェアは52.6%を記録し(弊社独自調査より)、今回と同様に半数を超えていた。翌10月にはさらにiOSシェアは伸びを見せ、61%を記録している。今回はドコモからも発売されたことで、発売開始月より2012年以上のシェアを記録したが、在庫不足の解消などといった条件が整えば、今後はさらに大きなシェアを記録することが予想される。
一方、6月から8月まで最も購入された端末となった「SO-04E(Xperia A)」は、iPhone人気に押される形で順位を落とした。とはいえ、Android端末では依然最も購入されており、ここ半年以内の購入動向を見ても、iPhone 5とほぼ同じ売れ行きを見せている。これまで発売されたAndroid端末の中でも最も売れた機種のひとつといえよう。
年末に向けて各社より発表されたAndroid端末の新モデルにおいては、前述のXperia Aに続く人気機種が現れるかが注目される。今回は、従来スマートフォンにおける不満要素として大きく挙げられていた「電池の持ち」の長さを前面に押し出すモデルが目立つ。今後どの程度の人気を集めるかが注目となるが、在庫及び販売店舗数の拡充などが図られることを背景に、2012年と同様、しばらくはiPhone人気が続くのではないだろうか。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果