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WikiLeaks、TPP秘密交渉の草案とする文書を暴露

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2013年11月15日 12時36分
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 WikiLeaksは米国時間11月13日、秘密裏に交渉されている国際経済関連協定の草案とするものを公開した。批判派は、この協定がインターネットの自由を制限しかねないと警告している。

 文書のリークを活動目的とする組織WikiLeaksは、環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Partnership:TPP)の知的財産権に関する章の草案を掲載した。TPPは米国と環太平洋地域11カ国の間で提案された自由貿易協定で、3年近くにわたって交渉が続いている。しかしながら、Barack Obama米政権はこの協議を機密情報と見なしてきたため、一般国民がこの協定の内容を目にするのは今回が初めてになると思われる。

 95ページにわたるこの章では、デジタル著作権管理、特許、著作権、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の法的責任に加えて、医薬品の問題も重点的に取り上げている。WikiLeaksはこれを「最も議論を呼ぶ章」と呼んでおり、現在は棚上げされている米国のオンライン海賊行為防止法案(Stop Online Piracy Act:SOPA)や模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement:ACTA)の監視および執行に関する条項を思い起こさせるものだと述べている。TPP批判派は同協定が個人の権利よりも企業の利益を優先させていると主張する。

 知的財産に関する法律の専門家であるMatthew Rimmer氏は、The Sydney Morning Heraldの取材に対して次のように語った。「TPPは大企業にとってクリスマスのウィッシュリスト(欲しい物のリスト)のようなもので、草案の著作権に関する部分はこうした見方を裏付けている。ハリウッド、音楽業界、Microsoftなどの大手IT企業、医薬品業界はどこも大喜びするだろう」

 NGOのKnowledge Ecology International(KEI)はこの草案について、「交渉関係者が知的財産権の対象範囲を拡大し、消費者の権利やセーフガード(保護条項)を縮小する用意があるという恐れが正しいことを証明している」と述べた。

 KEIは声明で次のように述べている。「TPP草案では、あらゆる種類の知的財産権において例外を設ける余地を縮小している。秘密交渉で作成された草案は知識へのアクセスにとって有害で、医薬品へのアクセスにとって有害で、そしてイノベーションにとっても著しく有害だ」

 米国の政治家の間でも、「貿易促進権限」(別名「ファストトラック」)と呼ばれる行政機関の手続きによって、監視や協定に対する権限が議会から奪われる点について懸念を示す向きがある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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