Lamar Smith米下院議員(テキサス州出身、共和党)は、2011年10月末に「Stop Online Piracy Act(SOPA)」を発表した際、それが賛否両論を呼ぶことを把握していた。
しかし、同氏はおそらく、SOPAがこの数カ月呼び起こしてきた、インターネットユーザーからの広範囲にわたる激しい抗議については予想していなかっただろう。それはPCへのコピー防止技術の組み込みをめぐる2003年の政治論争、あるいは1990年代中ごろに米通信品位法(Communications Decency Act:CDA)への反対でウェブサイトにブルーリボンが表示されたとき以来見られなかった、一般市民による、インターネット関連法への反対の表明だった。
知名度の高いウェブ企業や団体が歩調を合わせて行った、米国時間1月18日の抗議活動を考えてみよう。例えばWikipedia英語版はページを完全に黒くした。一方Googleは、ホームページ上の有名な同社ロゴの上に大きな黒い長方形を重ねたうえで、「Tell Congress: Don't censor the Web」(議会に意見しよう:ウェブを検閲しないで)と名付けられた請願書に署名できるページへのリンクを掲載した。同日には、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトルなどの都市での街頭抗議活動も予定された。
テキサス州のオースティンとサンアントニオの間に伸びる耕作、放牧地を選挙区に含み、自らを元農場主と呼んでいるSmith下院議員は、米CNETが2011年12月に報じたように、ハリウッドに人気の高い共和党員になっている。テレビや映画、音楽の各業界は、同氏の2012年選挙運動委員会への資金提供者の上位を占めており、音楽業界や映画業界のロビイストたちはディナーやコンサートで同氏をもてなしている。
SOPAと、上院に提出されている同様の法案である「Protect IP Act(PIPA)」がどのような影響を与えるのかについて知りたければ、読み続けてほしい。以下にこのトピックについてのFAQのリストをまとめている。
--SOPAとPIPAが正当化される理由は何か。
それはひとことで言うと「悪徳サイト」だ。
これは、著作権侵害に対して米国よりも寛容な国で散見されるウェブサイトに対して使用する、ハリウッドの用語だ(実際、米国はおそらく著作権侵害に対して世界で最も厳しい法律が適用されている国である)。対象は米国外にあるため、米国の裁判所でそうしたサイトの所有者を訴えても効果がない。
米商工会議所はThe New York Timesの編集者への書簡で、「米国の革新的で創造的な製品を盗んでいる悪質なサイトは、年間で530億回を超えるアクセス数を集めており、1900万人以上の米国人の雇用を脅かしている」と述べている。全米映画協会(MPAA)はそのウェブサイトに、悪質なウェブサイトを取り上げるセクションを設けている。また、全米司法長官協会でこの件に関する委員会の共同委員長を務める、ミシシッピ州司法長官のJim Hood氏(民主党)は最近、悪徳サイトを児童ポルノになぞらえている。
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