動画と音声のストリーミングは、Sandvineが調査したほぼすべてのネットワークのあらゆる分野で、引き続き最も多くのトラフィックを占めている。この調査は、Sandvineが世界中の固定およびモバイルデータネットワークの動向をレポートしているものだ。
Sandvineが年2回発表する「Global Internet Phenomena Report」(世界のインターネット動向レポート)によると、北米では、NetflixとYouTubeが最大のトラフィック発生源だ。両社を合わせると、1日のピーク時間帯におけるダウンストリームトラフィック全体の50.31%を占めるという。
Sandvineがこのランキングを公開したのと同じ週に、Amazonは初のオリジナルテレビ番組「Alpha House」の配信を開始する。これはオリジナル番組の制作を推進するNetflixに対するAmazonの対抗策だ。Netflixは、コンテンツ関連予算の多くを自社制作番組に当てているが、その狙いは、他社製コンテンツのライセンス配信への依存度を下げ、インターネット界のHBO(自社制作番組でも人気を集める米ケーブルテレビ局)のような存在になることだ。Netflixは自らをインターネット動画配信サービスの大手ではなく、「世界をリードするインターネットテレビネットワーク」と称するようになっている。
しかし、Sandvineは米CNETに宛てたメールの中で、Netflixの新番組が始まった後も同社のトラフィックに目立った変化は見られないと述べている。
とはいえ、Netflixのトラフィックはもともと大きく変化が出にくいため、オリジナル番組の効果は、トラフィックの変化よりも加入者数に現れる可能性が高いと、Sandvineは指摘している。
Sandvineはレポートの中で、世界のトラフィックの多くをストリーミングビデオが占めていることから、「2014年には世界のモバイルネットワーク上で長尺の動画配信が始まる」と予測している。
現在、アジア太平洋地域では、月間平均モバイルトラフィックが、ピーク時間帯のダウンストリームトラフィック全体の50%を上回る1Gバイト超となっており、北米の平均443Mバイトの2倍以上を記録しているとSandvineは報告している。またアフリカでは、モバイルネットワークのトラフィックに動画が占める割合は6%未満だが、今後は動画が他のどの地域よりも速いペースで拡大すると予想されるという。
NetflixやYouTubeといったストリーミングビデオのトラフィックが急増する一方で、ファイル共有のトラフィックは多くの固定回線ネットワークで減少が続いている。
北米では現在、ファイル共有がトラフィックに占める割合は、1日のトラフィック全体の10%未満だが、Sandvineが10年以上前に公開した初のレポートでは60%以上を占めていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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