2008年に英国で誕生したヘッドホンブランド「ATOMIC FLOYD(アトミックフロイド)」。メタルハウジングやケブラー素材を用いた赤いケーブルは、高音質再生とともにクールな見た目を両立させている。大手電機メーカーを退職し、同社を立ち上げたFounderのJames Strong(ジェームズ・ストロング)氏に、音、デザインへのこだわりを聞いた。
子供の頃から自分の会社を作りたいという思いがありました。以前フィリップスに勤めており、そこでヘッドホンの開発、製作や市場について学び、この市場にはプレミアムポジションが存在することに気づきました。
当時、新規のヘッドホンブランドは低価格のモデルを投入するケースが多かったのですが、ここにスタイリッシュなデザインと高機能のヘッドホンを投入することでプレミアムポジションが生まれると思いました。ただし、デザインだけ、機能だけではだめで、両方をバランスよく提供できることがポイントでした。デザインも機能もバランスよく提供できるヘッドホンを作ろうと思い、立ち上げたのがATOMIC FLOYDです。
開発を重ねるうち、メタル素材が非常に大切なことに気づきました。プラスチックはどうしてもハウジング部が厚くなってしまいます。メタルは薄く加工できますし、中の空間を大きくできる。薄くて広いハウジングが高音質再生に結びつくのです。またメタルは硬いので音が漏れにくいというメリットもあります。こうしたことからハウジング部にはメタルを使うことを決めました。
考えませんでした。メタルは耐久面でも優れています。ハイエンドなヘッドホンを買うのであれば、長く使って欲しい。製品寿命の面からもメタルは最適な素材でした。
ただ納得のいくメタルハウジングを作るのはとても難しくて、初号機の開発には2年かかりました。現在使用しているメタル素材は1300度の高熱で10時間以上精錬したものです。この工程を経ることで、薄い壁をカーブさせることができ、ドライバの動きにパワーが増します。
同様にケーブル部にもこだわりました。断線がしづらく、絡みにくいケブラー素材を用いています。このケーブルを採用することで、ケーブルに手や衣服が触れた時のノイズが低減できます。
こうしたこだわりをベースに、現在ダイナミック型の「PowerJax」、2重フィルタ技術を採用した「HiDefDrum」、バランスドアーマチュア型の「MiniDarts」、バランスドアーマチュアとダイナミックドライバのハイブリッドモデル「SuperDarts」、イヤーフック式を採用した「AirJax」の5つのインナーイヤー型ヘッドホンをラインアップしています。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」