Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏が話すと、誰もが耳を傾ける。それは、同氏が世界最大のソーシャルネットワークを運営しているからというだけでなく、プライバシーやつながり、共有についての個人的な見解を次々と口にしてしまう傾向があるためだ。
これこそ、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の研究者たちがZuckerberg氏の発言をすべて聞き取ったうえで記録し、アーカイブしている理由だ。「The Zuckerberg Files」と呼ばれるこのアーカイブは、Zuckerberg氏が口にしたあらゆる発言をオンラインリポジトリ化したものである。
同サイトは学術的な目的を持っているが、監視という役割にも関係している。サイトには「Facebookの創業者兼CEOが、ソーシャルネットワーキングを取り巻くポリシーや倫理に関する議論において、自らの会社の役割をどう捉えているのかをより深く理解することで、プライバシーとFacebookについての対話にじっくりと取り組み、デザインやポリシーに対する提案を示し、ユーザーの認識や知識を向上できるようになる」と記されている。
これは重要なイニシアティブでもある。ソーシャルネットワーキングに関するZuckerberg氏の見解には常に、物議を醸し出す雰囲気が漂っている。例を挙げると「自らのアイデンティティを2つ持つというのは、誠実さに欠けている証だ」という発言がある。
しかしより重要なのは、同氏が世の中に対して抱いているビジョンによって、Facebookが10億人を超えるユーザーに課すポリシーと、地球上のあらゆる人間をつなげるという同社の使命のなかでのプライバシーの扱いが決まってくるという点だ。Zuckerberg氏とFacebookが企業の世界で確固たる地位を築くようになるなか、同氏の動きを追いかけることは、Facebookのアップデートに対して今後必ず上がってくるであろう大衆の非難の声から、米国やその他の国々での法廷闘争に至るまでの数多くの重要なトラブルを理解するうえで有用となるはずだ。
米国時間10月25日に公開されたThe Zuckerberg Filesには既に、公の場や、報道機関とのインタビュー、決算報告時の電話会見などにおいて、29歳の億万長者Zuckerberg氏が発言した内容をすべてテキストに書き起こしたものが100件以上、また動画が50本近く収録されている。このパブリックアーカイブへのアクセスはオープンなものとなっているが、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のデジタルコモンズとしてホスティングされており、同大学情報学部のMichael Zimmer氏によって管理されている。このためZuckerberg氏の過去の発言に興味があっても、そのアクセスには十分な理由が必要となる。同サイトには、このアーカイブすべてにアクセスしたければ、自らの研究内容や目的とともに連絡先情報を提出する必要があると記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス