いつも決まった位置から目の前の風景ばかりを見るのではなく、時には、俯瞰したり立ち位置を変えたりして物事を見ることが、重要な要素になることもある。立ち位置を変えるというのは、実際に居場所を変えることだったり、違う人と付き合ってみることだったり、その意味はさまざまだ。本書では、そんなさまざまな角度からの物の見方を学べる。
著者は元外交官。外国を相手にした社交術や交渉術は、ごく限られた人にしか関係のないことのように感じられるかもしれない。しかし、企業のグローバル化が加速している現在、海外の企業との折衝が必須となることもあれば、明日にも外国人が上司や同僚になるかもしれない。考え方を180度転換する必要に迫られることもあるだろう。そのような時、自分が経験していないことを知ることが助けになることもある。本書のような本は、めったにできない経験の一端を知るきっかけになる。
本書には、外国語の習得方法のほか、メモ術やプレゼン術といった、外交よりももう少し身近に感じられるトピックもある。こうしたテクニックは、取り入れやすく即効性はあるだろう。ただ、全体を通して本書を読むことで、今の自分に本当に必要なことがなんなのか分かるかもしれない。
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