NTTドコモは10月25日、2014年3月期第2四半期(4~9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比0.4%減の2兆1989億7100万円、営業利益は同0.4%増の4731億5500万円、純利益は同5.1%増の3004億円となった。
スマートフォンの販売増や、モバイルとシナジーの高い新領域の事業拡大によって営業収入は増加したものの、「月々サポート」やMOU(1人あたりの月間平均通話時間)の減少によってモバイル通信サービス収入が減少し、営業収益は83億円減となった。営業費用は、Xiネットワークの充実や新領域への拡大によって増加したが、経営基盤の強化に向けたコスト効率化などによって、最終的には104億円減となった。
2014年上期(4~9月期)の総販売数は約1047万台で、このうちスマートフォンは約632万台。前年同期のスマートフォン販売比率は54%だったが、60%まで増加している。また、純増数やMNP(携帯電話番号ポータビリティ)については苦しい状況が続いているが、9月20日に発売したiPhoneによって大幅に改善傾向にあると説明する。
直営ストアである「dマーケット」の契約数は、動画配信サービス「dビデオ」が446万、アニメ配信サービス「dアニメストア」が101万、音楽配信サービス「dヒッツ」が155万となっており、合わせて700万契約を突破。上期のdマーケット全体の取引高は270億円となった。なお、10月24日に開始したクラウド型の「ドコモメール」は、10月25日13時時点で16万契約となっている。
新領域における上期の収益は約3100億円。内訳は、金融・決済が約1100億円、コマースが約700億円、メディア・コンテンツが約600億円、その他の領域が約700億円となる。また同日には、学びの領域の事業拡大に向けて料理教室の「ABCクッキング」を買収したことを発表した。同社では、2015年度に新領域で売上げ1兆円を目指すとしている。
ネットワークについては、ドコモが保有する4つの周波数帯(2GHz帯、1.7GHz帯、1.5GHz帯、800MHz帯)を生かしてエリアを構築。また、LTEサービス「Xi」の基地局数を9月時点の3万7000局から、2014年3月末までに5万局以上に増設する。さらに、下り最大150MbpsのLTEサービスが利用可能なエリアを順次拡大するとしている。
同日の記者会見で登壇したNTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は、夏モデルのツートップ戦略やコスト削減などにより増益を達成できたと説明。「下期はiPhoneとAndroidの相乗効果で新しい競争ステージが始まる」と語り、ドコモならではの端末ラインアップやサービス、料金プランなどで、他社と差別化していきたいとした。
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