では、シニア層がスマートフォンでやってみたいこととは何なのか。この点について、質問してみた(図4)
最多回答となったのは、男女とも「地図/ナビゲーションの利用」であった。広告やCMでも目にすることの多いサービスだが、現状ではまだ使いこなせていない、もしくは利用にまで至っていないといった状況がうかがえる。使いやすい画面構成、利用方法に関するわかりやすい説明などがあれば、シニア層におけるユーザー獲得が期待できるのではないか。
次いで、災害時用の緊急速報や、災害時用伝言板サービス、病院や医療に関する情報サービス、自動翻訳機能、地域情報を閲覧することが出来るサービスなどといった、生活に関連する機能に対する意欲が高い。常に身近にあるスマートフォンを通じて、ライフラインや生活に関連した機能を使いたいといった意向が感じられる。
また音楽、動画、新聞、書籍といったデジタルコンテンツや、インターネットショッピングに対する利用意向に関しても、前述の機能とそれ程大差なく出現している。この結果及び前述の傾向から、様々なデジタルコンテンツに対しては、現状それ程利用してはいないものの、関心は一定数持っていることがうかがえる。故に、今後の利用促進を図るには、どれだけ強い関心を抱かせ、且つわかりやすい利用方法を示すことが出来るかが鍵になっていると思われる。
ここまで記載した動向をまとめると、シニア層におけるスマートフォン利用の傾向としては以下のようになる。
上記からうかがえるのが、スマートフォンを通じて様々なサービスを享受したり、趣味・娯楽をより楽しむなどといった段階にはまだ至ってないものの、興味、関心は強く抱いているのではないか、ということである。今後、スマートフォンを使った多様なサービス利用に至るには、その障壁となっている要因を取り除くこと、また現状のサービス認知経路を把握した上で、効果的な訴求を行うことが重要と思われる。
今回の調査は、スマートフォンを所有しているシニア層を対象に実施したわけだが、すでにスマートフォンを利用していることもあってか、サービス利用に対して意欲的な印象を受けた。ただし、まだスマートフォンを所有していない、それ程モバイルリテラシーの高くないシニア層が多数存在するのも事実である。今後はシニア層においてもスマートフォン利用者の増加が見込まれるが、是非シニア層のニーズに合致するサービスを、安心安全なサービスとして、且つわかりやすい入手方法、使い方という形にて提供して頂きたいと思う。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境