Facebookでは5月から、斬首などのむごたらしい内容を描いた画像や動画を公開できないようになっていたが、その制限が解除されていた。暴力的な内容であっても、描かれている行為を非難するために共有されるものは取り締まらないという以前のやり方に戻っている。
Facebookの広報担当者は米CNETの取材に対して次のように語った。「Facebookはずっと以前から人々が体験したことを共有する場だった。とりわけ、その人たちが人権侵害、テロ行為、その他の暴力事件といった議論を呼ぶ出来事に現場で関わっていた場合にはそうだ。人々はそうした出来事の映った動画を、その内容を非難するためにFacebookで共有している。仮に、そうした動画が称賛されたり、動画の中の行為が助長されたりするのであれば、われわれの対応も違ってくるだろう」
Facebookは5月、それまでの方針を変え、ユーザーから報告のあった暴力的な動画を削除すると発表した。当時は、処刑の様子を伝える2本の動画が同サイトで広まったことへの反発に対処している最中だった。Facebookはこの時、議論の的となりそうなコンテンツに対する方針はまだ検討中だと述べている。熱い議論を呼んだこの問題を事実上、夏の間ずっと棚上げにした格好だ。
同社は、こうした動画コンテンツの制限をいつ廃止したのかについては明言しなかった。一方で、Facebookにおける活動を規定する2つの重要な方針文書の1つである「Statement of Rights and Responsibilities」(利用規約)には、以前と変わらず次のような記述がある。「次のようなコンテンツを投稿することはできません。差別的、脅迫的、またはわいせつ的なコンテンツや、暴力を誘発するようなコンテンツ、ヌード、露骨な、あるいは根拠のない暴力の描写が含まれるコンテンツ」。
Facebookは現在、斬首などの残酷なコンテンツは、そのコンテンツがユーザーによって称賛されている場合に限り規約に違反すると(再び)主張している。しかし、広報担当者によると、Facebookは、同サイトでどのようなコンテンツを目にするのか、ユーザー側が自分でで管理できるようにする最善の方法を考えているという。
広報担当者は「こういった残酷な動画に反発する人もいるため、目にするコンテンツをユーザー側でもっと管理できるように取り組んでいる」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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