モバイル決済サービスを手掛けるSquareは米国時間10月15日、任意のユーザーへの電子メールによる送金を可能にする無料サービスを提供開始した。
「Square Cash」として知られる同サービスは、これまでベータ版として、招待されたユーザーに限定して提供されていたサービス。現在のところ、少なくとも米国内でのみ利用可能になっている。
Squareのプロダクトマネージャーを務めるBrian Grassadonia氏は、Square Cashでは、送金元と送金先のいずれもSquareアカウントを所有する必要はなく、料金はかからないと述べた。送金するにはメールの宛先に送金先のアドレスを指定し、「CC:」に「cash@square.com」と入力し、件名に金額を入力するだけでよい。メール本文には送金元が必要とする任意の情報を入力できる。
Grassadonia氏によると、同サービスの利用にあたってSquare Cashのアカウントは不要だが、送金元と送金先の双方が各自の電子メールアドレスをデビットカードにリンクする必要があるという。デビットカードへのリンクは電子メールの送信後に行う。いったん相手側がこの手続きを完了すると、デビットカードの番号を再入力しなくても、さらに別の人物に送金することが可能になる。送金された金額は、保存されている残高ではなく、送金先の預金口座に直接入金される。
Squareにとって、このサービスはブランド認知度を高めるための手段であり、PayPalなどの競合他社にさらなる挑戦を仕掛ける手段でもある。PayPalは現在、デジタル決済事業で優位に立っている。Squareは、モバイル決済企業として主に知られており、同社のサービスは、すべての小売業者がクレジットカードを受け付けられるようにするものだ。また、同社の「Square Wallet」として知られるサービスを利用すると、ユーザーが多数の店舗で無線による決済を行うことができる。
Grassadonia氏によると、Square Cashでは、1週間あたりの送金可能額が最大2500ドルとなっており、送金された金額は送信先の預金口座に一両日中に入金される仕組みになっているという。また同氏は、Squareは同サービスを無料で提供できるよう力を注いでいるとした上で、同社が今後新たな機能を追加する場合、料金について検討する可能性にも言及した。
Square Cashは、すべてが電子メール経由で機能するように設計されたものだが、「iOS」または「Android」向けのどちらのアプリでも利用することができる。ただし、実際にアプリとしては、電子メールを送信するためのフロントエンドにすぎないとGrassadonia氏は説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」