何気なく観察している人にとっては、TwitterとInstagramはまったく異なるものに思えるだろう。一方は今起きていることをフォローするためのサービスで、他方は写真を共有するためのサービスだ。しかしこれら2つのソーシャルアプリは非常に本質的なところで共通しているため、両社は友から敵に変わった。両社とも自らのサービスをさらに繁栄させるために、著名人を必要としている。
ソーシャルネットワークはそれらの著名人を「影響力のあるユーザー」と呼ぶことを好む。そうしたユーザーをめぐる争いは極めて重要である。なぜならInstagramもTwitterも自らの人気アプリを、多くの利益を生み出し、たくさんの広告が表示される場所に変えることを目指しているからだ。
ユーザーやブランドがどれだけ上手く情報を配信し、新規ユーザーを惹き付けられるか(これはTwitterにとって最も重要な種類の影響力だ)が重要である。Twitterがそうしたことを詳細に測定し、監視していることは間違いない。同社がメンバーの影響力を採点する測定法を社内に持っていることは、すでに分かっている。そのことは同社の共同創設者、最大の株主、元最高経営責任者(CEO)であるEvan Williams氏によって2010年に明かされた。
FacebookやInstagram、LinkedIn、Pinterest、さらに、Viddyさえも影響力のあるユーザーを有している。しかしTwitterはこのグループの中で自社が一番だと考えている。同社は10月に米証券取引委員会(SEC)に提出したS-1書類の中で、「われわれのプラットフォームが持つ公共性とリアルタイム性、そして途方もなく大きな世界規模のリーチにより、Twitterは世界で最も影響力のある人々や組織が好んで利用するコンテンツ配信プラットフォームになっている」と述べた。
Twitterはこの声明を読んだ人が次のように解釈してくれることを望んでいる。世界で最も重要な人々はTwitterを好んで利用している。Twitterにはその主張を裏付ける証拠が豊富にある。例えば、イランのHassan Rouhani大統領とBarack Obama米大統領が9月下旬に歴史的な電話会談を行ったことは、ほかならぬRouhani大統領によってTwitterで最初に明らかにされた。
こうした要人のアカウントのおかげで、人々は140文字の情報をより多く求めてTwitterに引き寄せられる。それらのアカウントはTwitterの最重要部分であり、人々がTwitterを訪れる主要な理由である。しかし同じくらい重要なのは、あなたがそれらの要人とつながったときに何を伝えるか、そして彼らがあなたに何を伝えるか、ということだ。ここに、Twitterを広告主にとって価値あるものにする特製の情報源がある。それは「Interest Graph」だ。
Interest Graphは、Twitter上のすべての人々、つながり、やりとりを示すマップだ。投資家向けの公式な言い回しだと次のような説明になる。S-1書類によると、以前は「フォローグラフ」と呼ばれていたTwitterのInterest Graphは、「フォローされたユーザーやTwitterプラットフォーム上で実行されたアクション、例えば作成されたツイートやツイートとの関与に基づいて、さまざまなもの、とりわけ興味のマッピングを行う」という。
そのグラフは広告主にとって価値のあるものだ。最終的にTwitterの株式の動向を決定するのは広告主である。TwitterもFacebookと同様に広告事業だ。2013年上半期、Twitterの売上高の87%は広告によってもたらされた。
Twitterは、「ユーザーのInterest Graphはユーザーの興味を明確かつリアルタイムに示す信号を作り出し、Twitterがユーザーに表示する広告の関連性とTwitterが広告主に提供するターゲティング能力を大幅に高めるとわれわれは考えている」と述べた。
ここでInstagramが関わってくる。InstagramはTwitterを上回るペースで成長しているソーシャルアプリで、Twitterと同様のフォロワーモデルを採用しており、ユーザーには著名人をはじめとする影響力のある人々が多数含まれる。Instagramを所有するFacebookも人々の本当の素性に関連付けられたデータを保有しており、そのすべてのデータは広告主にとって、より興味深いInterest Graphになるかもしれない。
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