Twitter創設をめぐるエピソードは、どのバージョンを信じるにせよ、裏切りや背信に満ちている。Twitterの生みの親を自称するJack Dorsey氏は、実際は伝えられているほどドロドロしたものでなかったとわれわれに信じさせようとしながらも、Twitterの共同創設者でかつて最高経営責任者(CEO)を務めたEvan Williams氏に対しては、決してよい感情を抱いていなかったことを、The New Yorkerの記者D.T. Max氏に告白している。
Dorsey氏の告白は、The New Yorkerに載った「Two-Hit Wonder」(二発屋)と題する長い記事に登場する。この人物紹介記事は、The New York Timesの記者Nick Bilton氏による発売間近の著書「Hatching Twitter」における、好意的でないDorsey氏の描き方とは対照的だ。同書の中では、影の薄いTwitter共同創設者Noah Glass氏を辞めさせるにあたり、Dorsey氏がその指揮を執ったなどと書かれているが、今回の人物紹介記事は、そのような主張に対する「世間の反応」として、Dorsey氏が仕掛けたもののように読める。
しかし、その記事の終盤に少なくとも一度、おそらくは偽りのないDorsey氏の姿が垣間見える。Dorsey氏からCEOの座を奪ったWilliams氏が、辞任に追い込まれた時のことを回想した箇所だ。Dorsey氏は、言われているように意図的にWilliams氏を辞めさせようとしたことはなく、発言権のない会長職である自分にそのような力はなかったと述べつつも、心中には苦々しい感情がくすぶっていたことを打ち明けている。
「くたばれエブ(ウィリアムズ氏)と思っていたか?心情的にそれを願っていたか?わからない。たぶんそうだ」と、Dorsey氏はThe New Yorkerに語っている。
これは、Twitter創設当時の緊張と混乱をつづった記事の中で数少ない率直な告白の1つだ。しかし記事全体としては、Dorsey氏を謎に満ちた計略家で天才と持ち上げている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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