フロリダ州オーランド発--退任が決まっているMicrosoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、同社が複数の画面およびデバイスにわたって同一の「Windows」に移行すると述べ、タッチファースト(タッチ優先)の「Office」がWindowsに対応した後でいずれ「iPad」にも対応するとの見通しを示した。
Ballmer氏が講演したGartner Symposium/ITxpo 2013は、中核的な法人顧客の前に同氏が登場する残り少ない機会の1つとなったはずだ。参加した最高情報責任者(CIO)らは、誰もが何らかの形でMicrosoftの顧客だった。
Ballmer氏は、多くの点でMicrosoftの現在のアプローチを擁護するとともに、その概要を示した。同氏は新しい開拓分野をあまり取り上げなかったが、いつものように快活で多少の皮肉を交えて語った。大きな話題は、Microsoftが複数の分野でインテグレーターになろうとしている点だ。
Ballmer氏は、「われわれは、物事をより小さく管理可能な問題に分割することによって会社として成長した。われわれが顧客から聞くことの1番は、物事をまとめてほしいというものだ」と述べ、Microsoftはインテグレーターになる必要があると語った。
Ballmer氏にとって、すべてをまとめるというのはハードウェアを意味するが、大変な仕事はインターフェースや開発者向けツールに関する部分、および異種混在環境向けに汎用(はんよう)のWindowsプラットフォームを生み出すことだろう。
Ballmer氏は、複数の画面にわたって1つのWindowsプラットフォームを用意することは現実的だと述べた。「次の短期的周期におけるいずれかの時点で、われわれはこれについて大きな進歩を目にするだろう。それが実際に意味するのは、汎用ユーザーインターフェース、汎用プログラミングインターフェース、汎用セキュリティアーキテクチャおよびユーザーインターフェースの適応性、汎用開発者モデルおよび主要サービスだ」(Ballmer氏)
Ballmer氏は、汎用の体験が比較的早い時期に実現するとしたが、「私から日程を示すことはしない」と述べた。
「われわれは、汎用OSの構築に加え、デバイスが認識するユーザー情報に基づく汎用バックエンドを構築する必要がある」(Ballmer氏)
Windows以外のプラットフォームについて、Ballmer氏はMicrosoftがOfficeとターミナルサービスをiPadに対応させたと述べた。「Lync」と「OneNote」はネイティブで対応している。同氏によると、「Outlook」は理にかなっているかもしれないが、Appleが対応を許可するのは考えにくいという。「Word」とOfficeはキーボードおよびマウス向けに最適化されている。「iPadは、タッチファーストのユーザーインターフェースが実現した時に対応する。このようなことがOfficeについて進行中だ」(Ballmer氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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