Googleの会長であるEric Schmidt氏は、「Google Now」のウェブカードというアプローチが実際の仕事に適用可能かどうかを検討している企業に向け、そのコンセプトやインターフェースは企業にも適用可能であると語った。
「Gartner Symposium/ITXpo 2013」で講演したSchmidt氏に対して、Googleの野心に関する質問が予想通り数多く寄せられた。
Google Nowのアプローチは、人工知能(AI)を利用し、企業のデータセットを走査することで企業にも適用できるという。
Schmidt氏によると、Googleは企業内でのGoogle Nowの利用について試行錯誤しているところだという。同氏は、Google Nowのアプローチを使って、企業のワークフローを導き出したり、分析的に行動する方法を検討することが可能だと述べた。
同氏は「このアプローチは、現在のAI技術を使えばどのようなデータセットにも適用できるはずだ」と語った。また同氏は、ビジネスアナリティクスも、まさに航海術のように企業におけるGoogle Nowに適用できる可能性があると付け加えた。
Schmidt氏の語ったテーマは、企業における購買状況が劇的に変化するというものだった。同氏は、Oracleをはじめとする企業が採用しているライセンスモデルは生き残れないだろうと述べた。時代は既に、クラウドと社内インフラを連携させるハイブリッドモデルを生み出しており、ライセンスモデルが時代遅れなものになる2番目のフェーズに入っているという。
「(企業における破壊的創造の)3番目のフェーズはタブレットによって推進される。このため企業におけるコンピューティングのほとんどはモバイル機器上で行われるようになるだろう。これまでのモデルは破壊された。私には、モバイルモデルで機能するよう、既存のインフラを解体する必要があるように見える。こういったことが目の前で実際に起こっている」(Schmidt氏)
もしこの主張が正しければ、企業は競合他社に打ち勝つためにレガシーなインフラを捨て去る必要が出てくるだろう。そして、クラウドをはじめとするコンシューマーテクノロジのより速いイノベーションサイクルに乗り遅れないようにする必要もあるだろう。
Schmidt氏は現行のインフラを揶揄(やゆ)するなかで、VPNが完全にセキュアなわけではないという事例を挙げ、「これはひどいアーキテクチャになっている」と語った。
Schmidt氏は聴衆に対して、自らのネットワークが今この瞬間、中国人による侵入を受けていないと言い切れる人は手を挙げてほしいと呼びかけた。約4000人の聴衆のなかで、手を挙げたのは4人だった。Googleのネットワークが中国人に侵入されていないという自信があるかと尋ねられたSchmidt氏は、Googleは片時も怠ることなく監視を続けているため、自信があると答えた。また同氏は、米政府は中国人によるネットワーク侵入がないと断言できないはずだ、現在機能していないのだから、とジョークを飛ばした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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