逮捕されるということは、普通ならほとんどの人々が忘れたいと思うであろう不愉快な出来事だ。Googleが取り組んでいるアルゴリズム変更によって、人々にそうした記憶を消すための救いの手が差し伸べられる可能性が出てきた。
刑事事件が解決した後でさえも、その事件に関する嫌な記憶というものは、極めてオープンな形で残されてしまうものだ。その裏には、地元の警察などから入手した容疑者の顔写真を再掲載する営利目的のウェブサイトの存在がある。確かにこうした行為は、特に重大な犯罪を繰り返す人物について言えば、社会にとって有益なサービスに聞こえるが、それ以外の、警察絡みの比較的軽微なトラブルの記憶が、その罪の内容に関わらず何年間も人々を不安にさせる場合は多く、当事者の失業あるいは住宅取得機会の喪失といった結果につながる可能性がある。
こうした顔写真掲載サイトでは、掲載された顔写真の画像を削除するのに400ドル以上を請求するところが多いが、その一方で、多くの人々の苦痛を倍増させているのがGoogleの検索結果における順位の高さにある。一度、容疑者の顔写真サイトに氏名が掲載されてしまうと、その名前は検索のキーワードに入力され、該当者の顔写真の画像が検索結果の上位に表示されるのだ。
The New York Times(NYT)は、こうしたサイトが合法であるとはいえ、なぜGoogleがこうしたサイトに対して有利な検索結果にしているのか疑問だと指摘している。指摘の理由は特に、Googleのルールでは、サードパーティから取得した画像やテキストよりもオリジナルコンテンツが優先されることになっているためだ。NYTが先日Googleに説明を求めたところ、同社の広報担当者は当初、顔写真掲載サイトによる影響を受けている人々の気持ちをGoogleは理解していると述べた。しかし、「検索結果から(それらの画像を)削除することは、極めて限られた例外を除き、できるだけ少なくしている」と語った。
この広報担当者は、こうした問題に対処する取り組みがあることを最初は知らなかったとして、この数日後に返信し、Googleのエンジニアが問題に対処するため、同社の検索アルゴリズムを手直ししているところだと伝えた。
「当社のチームは、この数カ月間、この問題全般に一貫した方法で対処するためにアルゴリズムの改良に取り組んできた。今後数週間のうちに適用したいと考えている」(Google広報担当者)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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