Appleの「Siri」に、とうとう本物の声の主が見つかったようだ。
アトランタ郊外に住む声優のSusan Bennettさんは、米国時間10月4日付けのCNNのインタビュー記事において、自身がSiriの声を担当したと語った。彼女の話が事実であることを確認するため、CNNが音声鑑識の専門家に協力を依頼したところ、Siriの音声は確かに100%Bennettさんの声であるとの証言を得た。
Siriの音声をめぐるストーリーが始まったのは2005年のことだ。Bennettさんはこの年、単語や言い回しなど、「意味不明な」内容の言葉を自宅スタジオで朗読するよう依頼された。Bennettさんは、1日4時間ずつ1カ月間にわたって自分の声を録音したと述べている。しかし、2011年にAppleの「iPhone」にSiriが登場して初めて、友人からの電話でiPhoneの音声ガイドがBennettさん自身の声にそっくりだと指摘されたという。
Appleは今のところBennettさんがSiriの声の主であるとは認めていないが、ナレーション業界では具体的な製品の音声を担当した人物を公表しないのが普通だ。あらゆる注目を声優にではなく、製品そのものに集めることが狙いだ。
Bennettさんによると、彼女の声を聴くことができるのはSiriだけではないそうだ。Bennettさんいわく、彼女はこれまでにDelta Airlinesをはじめとする企業向けにさまざまなナレーションを担当してきたという。彼女の声はGPS端末やその他の電子機器でも聞くことができるほか、古いものでは初期のATMにまでさかのぼる。
「iOS 7」がリリースされたことで、Siriはもはや1つの声で話すことはなくなり、ユーザーは女声に代わって男声も選べるようになった。しかし、Bennettさんは無名のまま埋もれてしまうことについて特に関心はないようだ。
BennettさんはCNNに対し、こう述べている。「私は何年も前に自分のキャリアを機械の声としてスタートしたの。あなたもきっと、毎日どこかで私の声を耳にしていると思うわ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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