グーグルの歩みを振り返る--創設からの15年とユーザーに与えた影響

Seth Rosenblatt Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年10月07日 07時30分
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 毎年4月1日のエイプリルフールに信じられないようなことをして、インターネットの世界にいたずらを仕掛けるというGoogleの伝統が始まったのは、同社がまだ創設2年目のときだった。

 「Google MentalPlex」は、ユーザーが検索したい言葉を頭に思い浮かべると、それを読み取ることができるというものだった。

 Google.comはユーザーに帽子を脱いで眼鏡を外し、検索ボックスの下の赤色と青色の渦巻模様を見つめるように指示。さらに、検索したい言葉を心の目に投影するときは、頭を動かしてはいけないという。渦巻模様をクリックすると、「エイプリルフール」の検索結果が返ってきて、画面上部に「検索対象がお金に関するものなのか、猿に関するものなのか、はっきりしない」という偽の忠告が表示される。

 今となってはそれほど面白くはない。

 今でも若いGoogleは米国時間9月27日、創設15周年を祝った。同社は今、現実世界ではなくSF作品に出てきそうな予知能力を獲得しつつある。ユーザーの日々の通信の習慣やウェブブラウジングについて多くの情報を持っており、最新のデータ分析ツールを利用して、ユーザーが求めていることや、必要になりそうなことを予測できるようになったが、さらに多くのことを知りたいと考えている。

 これは、自社の製品とサービスを利用する人々の個人情報を大量に入手してきた類いまれな企業の物語だ。Googleがユーザーから収集する情報量を増やすたびに、人々がそのことに不安を感じなくなってきたことを歴史は示している。しかし、Googleがこれまでとまったく異なる分野に進出したからといって、その傾向が終わると考えてはいけない。なぜならGoogleは、人々の怒りを買う侵害的な行為と素晴らしい製品の間という絶妙なバランスを取れることを証明してきたからだ。

 初期のGoogleが広告や「Gmail」のようなオンラインサービスに進出したことは驚きだったかもしれないが、今のGoogleがどんな新事業に手を出したとしても、驚くのは愚かなことだろう。同社には「Google X」という部署もあり、ひょっとしたらうまく行くかもしれないという突飛なアイデアを専門に扱っている。気球にインターネットアクセスポイントを搭載することから、自動運転車、凧を使っての風力発電、人間の寿命を延す取り組みまで、あらゆることを試しており、それに比べると、メガネ型コンピュータの「Google Glass」はごく普通のものに思えてくる。

 Larry Page氏は先ごろアリゾナ州で開催されたイベントで、「科学とテクノロジが人々の生活を変える可能性に大きな興奮を感じる」と述べた。「大規模な変化の影響が過小評価されている」という。

巨人になったGoogle

 「世界の情報を整理し、どこからでもアクセスできるようにして有用性を高める」というGoogleの使命は、十分に長続きするものであることが分かってきた。しかし、同社の有名な指針である「Don't be evil(邪悪になるな)」の方は、検索エンジンというルーツから事業が拡大するにつれて、守るのが難しくなってきている。

 今後Googleがさらに事業拡大を進めるに当たって、同社の侵害的な行為も激しくなるだろう。しかし、Googleがその実績どおりに事を運ぶとしたら(同社は、顧客ベースを著しく遠ざけるようなことをしたことがない)、同社が電子世界における百目の巨人という性質をさらに強めたとしても、それに黙って従う世の中がやってくることを覚悟する必要もある。

 Googleの利用は創業間もなくして爆発的に拡大した。インターネットの謎と混沌を、価値あるコンテンツが詰まったメディアへと見事に変える同社の能力に、人々が気づいたからだ。同社はそれを巧みな仲介者戦略によって実行する。つまり、ウェブページをコンテンツの質で判断するのではなく、ほかのウェブページからの評価によって判断した。他者が既に完了させていたが、ほとんど目に触れない状態になっていた作業に便乗したわけだ。

 Googleの整理する情報が、一般に開かれたインターネットである場合、「邪悪になるな」によって複雑な問題がいくつか浮かび上がってくる。例えば、ヘイトスピーチと言論の自由の兼ね合い、泥棒のための助言と泥棒から身を守るための助言の兼ね合いなどだ。

 しかし、Googleの進んでいる方向性を考えると、さらに厄介な問題が頭をもたげてくる。同社が整理し、便利に使用できるようにしている情報は、ますます個人的なものになってきている。つまり、会長のEric Schmidt氏が「Creepy line(気味の悪い一線)」と呼んだ一線をGoogleがいつ踏み越えたのかを判断するのが、以前よりもはるかに難しくなった。

 ウェブを詳細に調べて、ユーザーが水の漏れる蛇口を直したり、クロスワードを解いたりするのを助ける代わりに、Googleはユーザーの電子メールアーカイブを完全にインデックス化したコピーを保持している。また、ソーシャルメディアの連絡先とその個人情報を保有しているほか、オンラインの文書保管場所にアップロードされた写真に画像認識アルゴリズムを実行しており、ユーザーが話した言葉を文字に起こしてテキストメッセージを作成する。物理世界では、わたしたちがどこにいて、どこに行きたいのかを把握しており、インターネット上でユーザーが訪れる場所も分かっている。さらに、Googleはそれらのデータすべてをつぶさに調べて、ユーザーが欲しいものや必要なものを予測している。

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提供:Google
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