Googleがターゲット広告の配信を目的に「Gmail」のメッセージをスキャンしていることに対する集団訴訟で、判事は米国時間9月26日、この訴訟を連邦盗聴法に基づいて進めることができるとの裁定を下した。
Googleはこの訴訟の棄却を申し立てていた。同社は、連邦盗聴法の見地からいえば、電子メールの内容をスキャンする行為は第一に、電子メールプロバイダーとしての通常業務の一環であり、第二に、Gmailユーザーとその送信相手による同意を受けたものであると主張していた。
カリフォルニア州サンノゼにある米連邦地方裁判所のLucy Koh判事は、こうしたGoogle側の主張をいずれも支持しなかった。Koh判事は裁定で、第一の論拠については「電子メールの内容を傍受したとされるGoogleの行為はユーザープロフィールの作成とターゲット広告の提供を主な目的としており、どちらも電子メールの送信とは無関係である」と記した。また、Koh判事は第二の論拠について、Googleのさまざまなユーザー同意書やプライバシーポリシーには、電子メールの内容を同社がスキャンすることについて、ユーザー向けにパーソナライズされた広告を表示する目的であると明確に記されていないと判断した。
特にKoh判事は、プライバシーポリシーに目を通す理性的な「Gmail」ユーザーであっても、ユーザープロフィールの作成やターゲット広告の表示のために自身の電子メールが傍受されていること必ずしも理解していなかっただろうと記している。
今回の訴訟でおそらく驚きに値するのは、Koh判事の裁定に記されているとおり、「非Gmailユーザー、すなわちGmailアカウントを持たず、またGoogleのサービス利用規約やプライバシーポリシーを承諾していないユーザーが、それでもなお、Gmailユーザーとの送受信メールをGoogleが傍受することについて暗黙に同意している」とGoogleが主張した点だ。
Koh判事はこの点について一蹴し、このような遠大な主張のためにGoogleが引き合いにしている事例は、電子メールの送信者が、対象となる受信者によってその電子メールが記録されることに同意していることのみを意味しており、これまでに主張されてきた、サードパーティのサービスプロバイダーによる傍受に同意していることにはならないと述べた。
Wiredは、抗告として知られる手続きにおいて、Googleが米連邦第9巡回区控訴裁判所に今回の裁定を上訴するためには、Koh判事に許可を求める必要があると指摘している。Wiredによると、本訴訟には重要な法的問題が絡んでいることから、審理に移る前にKoh判事が上訴を認める可能性は高いという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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