ドコモ・ドットコムによる、モバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の最新号(Vol.6)より、スマートフォン購入状況調査の一部をお届けする。
ドコモ・ドットコムが定期的に行っている調査から、2013年2月から3月にかけてのスマートフォン端末購入状況をみると、新生活に向けた準備期間である3月においては、各社とも端末販売数が伸びるといった例年同様の傾向を示す結果となった。
キャリア別では2月、3月共にドコモが最多シェアを記録し、2012年12月から4カ月連続で首位を維持したが、3月においてはauに肉薄される状況となっており、大きな優位性を示すまでには至っていない。この3月におけるシェアを年代別に見ると、ドコモは20代~40代において40%以上のシェアを誇るといった強さを見せているが、10代におけるシェアはau、ドコモ、SoftBankの順に、また50代においてもau、SoftBank、ドコモの順になるなど、世代によってキャリア人気にばらつきが出現する状況となっている(図1)。
これは若年層において「iPhone5」が人気であることがその主要因と想定されるが、50代においてauやSoftBankが躍進している背景には、親が子供用の携帯を購入したり、もしくは家族向け割引サービスを受けるために、親自身も子供の携帯電話会社に合わせる形でauやSoftBankの携帯を購入する、といったケースがあったのではないかとも考えられる。
2013年3月における人気機種の内訳を見ると、相変わらずiPhone5が最も売れており、auとSoftBankを合わせると全体の3割を越えるシェアとなった。またドコモ・ドットコムの調査においては初めてとなるが、auのiPhone5が最多購入機種になった点は注目である。これはTVCMなどを中心とした、学生層に対するキャンペーンなどが奏功したのではと想定される。3位以降ではドコモの2013春モデルといった最新Android機種に人気が集まっているが、一方でSoftBankの「AQUOS PHONE Xx 」という、省電力をウリにした機種がランクインしている点が目立つ。年末年始時に高い人気を示したドコモの「AQUOS PHONE ZETA」も同様の機種だが、この省電力を謳った機種に対する支持は、スマートフォン=電池消費が早いという、従来の不満を解消したいというニーズの表れではないかと思われる(図2)。
次に、Wi-Fiの利用に関する調査結果について触れてみたい。Wi-Fiの接続手段については、「自宅の無線LANネットワークで接続」という回答が最多となっており、6割を越えるユーザーが自宅でWi-Fi接続している状況がうかがえる。また、男性の利用傾向が軒並み高いものの、女性の自宅での利用率も5割を超えるなど徐々に高まりを見せている点も注目である。
これまでも定点観測してきた当設問だが、前回及び前々回調査結果と比較してみても、月を追う毎に自宅でのWi-Fi接続率は上がっており、自宅ではWi-Fi接続にてスマートフォンを利用する、といった傾向は今後もより強まっていくことが想定される。
一方で、外出先各所でのWi-Fi利用はそれ程伸びを示していない。Wi-Fi環境は各所で整備が進んでいるものの、外出先でのスマートフォン利用においてはLTE/3G回線を使った通信で事足りており、大容量通信などが必要なサービス等については自宅でじっくりと楽しむ、といった使い分けをしているケースが多いのではないか。これを踏まえると、動画やアプリのダウンロードなど、通信回数が多かったり、大容量通信が必要とされるサービスを提供する際は、Wi-Fiにて簡単に接続、課金及び利用ができるといった提供形態を整え、且つユーザーに対してもWi-Fi利用を明確に推奨するといった告知もしっかりと行っていきたいところである(図3)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」