ソフトバンクモバイルは9月20日、iPhone 5s/cを発売した。午前8時からの発売に伴い7時45分からソフトバンクショップ銀座にて発売セレモニーをスタート。今回はiPhone 5sの予約を受け付けないとあって早くから160人以上が並び、賑わいを見せた。
「iPhone 5」までは毎回ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が出席していたが、前回の「iPad mini」、第4世代の「iPad」Retinaディスプレイモデルに続き、今回もソフトバンク代表取締役副社長の宮内謙氏が登壇した。
孫氏が今回出席しなかった理由について宮内氏は、「だいぶ前から決まっていた、米国カンザスシティで行われるスプリントの特に重要な会議がある。本当は私もいかなければならないくらいのもの」と説明した。
一方で、米国で行われたアップルの発表イベントにも孫氏が姿を見せていないとあって、アップルへの興味が薄れているのではないかとの見方も噂される。これについて、「(薄れていることは)全然ない。売っている数が非常に大きなボリュームで、当然Androidも扱っているが、僕らのメイン機種はiPhone/iPad」とし、否定した。
宮内氏は、各テレビ局が行った販売店における通信キャリア選択に関する出口調査結果のキャプチャを手に、「一応、いま現時点ではソフトバンクが圧倒的に勝っている。これからは分からないがそんな状況」と説明した。
その背景には、ネットワークのよさがあると説明する。「5年間やってきて、iPhoneのことを全部知っている。トラフィックがどう動くかも知っている。iPhone 5s/cで相当なトラフィックのボリュームが上がるだろう。それに向けてLTEのネットワークを一生懸命つくってきた」とした。
全国の都市部ではダブルLTEを使用でき、今後はエリアの拡大と75Mbpsの高速化を進める方針だ。また、2014年4月に向けてプラチナバンドのLTEサービスを開始すると語った。「来年の今頃になれば、全国で使えるようになっている」(宮内氏)という。
「スマートフォンを成功させるにはまずネットワーク。現在のLTEネットワークはわれわれがナンバーワンという評価結果がいろいろ出てきている」と自信を見せる。
ソフトバンクではアプリを使って実際の接続状況をもとに、各社のプラチナバンド対応のスマートフォンの状況を分析している。「月間10億件のログを分析し、毎日データを出しているが、毎日差が開いている感じ。まだゴルフ場と百貨店などは負けているが、それ以外はほとんどのところで勝っているのが実態」(宮内氏)。
今回は、先行してNTTドコモとKDDIがプラチナバンドLTEに対応する。中でもKDDIは、800MHz帯のLTEが使える優位性を強調している。
それに対し、ソフトバンクの調査によれば「対応するAndroid端末すべての平均値を出すとそんなに高くない。iPhoneが800MHz対応というセールストークだが、奥のほうなどはつながりやすいと思う。だけど、それほどわれわれは脅威に思っていない。ただ、LTE表示が非常に出るという意味では、若干脅威」と語った。
また、ネットワークだけでなくiPhoneを熟知した店頭スタッフが多くいるのもソフトバンクモバイルの強みと説明する。アップルに先駆けて導入した資格制度“iPhoneマスター”が約2万人いるという。
「全員が新しいiPhoneを持っているし、配る。店員の方が毎日の生活で使わないと、困ったときにアドバイスができない。買ったもののまだうまく使えないという声をたまに聞く。販売の情報のインフラも5年間培ってきたので、厳しい環境になるでしょうけれども勝ち続けていきたい」(宮内氏)
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