KDDIは9月20日、iPhone発売イベントにおいて朝7時35分にKDDIの田中孝司社長が登壇、iPhone 5s/iPhone 5cで利用できるようになった800MHz帯のLTEの優位性について説明した。
田中社長は冒頭で「今日は“800”づくしにしたいと思っている」と話した後、「800MHzはプラチナバンドで最も貴重で最も価値のあるバンド」、エリア展開は「現時点で97%以上、年度末までに99%かもう少しいくのでは」と語った。
また、800MHzという周波数の特徴も説明し、建物の回り込みやすさなどで2GHz帯よりもエリア展開に有利だとした。「ビルの中や地下街で圧倒的な差。特にオフィスビルの中の各階LTE化、地下鉄の中もそうだ」とさらに800MHzの優位性を強調、「同じiPhoneでもネットワークでここまで差がある」として、新しいiPhoneの購入者にはauのネットワークを体験してほしい希望を語った。
田中社長はこれまでを振り返り「800MHzのLTEのネットワークを97%までカバーするには相当長い時間をかけた。800MHzをLTEにするために3年ほど前にプロジェクトを起こし、2012年7月に10MHzの幅が空いて、基地局を全部LTEに変えていった」と経緯を説明、「こういった日を迎えられることが本当にうれしい。喜びを共有したい」と、ほほえんだ。
ネットワークのトラブルや、iPhone 5で使える2GHzのLTE基地局が少なかった件も触れ、「確かにソフトバンクよりも10%くらい2GHzのLTEは数が少ない。800MHzを足すことによってダントツの数になる。だから、これまでiPhone 4S、iPhone 5を使っていただいたお客様に魅力的な下取りプログラムを用意した」と話し、買い替えの費用負担をやわらげることで旧来のユーザーの不満に対応するとした。
そして、iPhone購入に関わるキャンペーンは、昨日の夜にリリースした事実上の学割となる「U22 au にかえる割」をはじめ複雑でわかりにくい点をふまえたためか、「店頭で確認を」とし、自分にキャンペーンが適用するどうかは店に出向いて相談してほしいと話した。
発表会後、報道陣の囲みインタビューでは報道陣からの質問が相次いだ。iPhoneの調達については「iPhone 5sのサプライ(供給)が厳しい」と品薄であることを明かし、今後の調達に力を入れるとした。
また、ソフトバンクが来春にプラチナバンドでのLTEを始めることについても感想を求められ、「ここまでするのに相当時間がかかった。春からスタートさせても、差分はなかなか詰まらないと思っている」とし、auのリードが維持できることを強調した。
MNPの増減については「MNP(転出)の予約はけっこう入っているし、流出はそれなりに増えている」と、転出が増えていることを認め、「ドコモに留まる率が高くなるため、当然、転入は下がると思っている」と話した。ただし流入と流出の比率に大きな変化がないことを指摘し、MNPの流入トップは維持するつもりで頑張るとした。
iPhone以外の端末は「お客さまが欲しいというものを揃えないといけないと思っている」と話し、Android搭載のスマートフォンの新製品にも注力していく考えを示した。
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