PayPalは米国時間9月9日、実店舗における未来のショッピングを見据えた新たな中核製品となる「PayPal Beacon」を披露した。低消費電力版Bluetoothを使用する同製品により、顧客は入店時に自動でチェックインし、通知によりバーゲン情報や商品情報を受け取り、カードのスワイプやスマートフォンの操作なしで支払いができるようになる。
PayPalのグローバル製品担当バイスプレジデントであるHill Ferguson氏はTechCrunch Disruptカンファレンスで、この追加ハードウェア機器をデモし、同カンファレンスにおける最も短いデモの1つだと称した。
そして同氏は「これは偶発的な製品ではない。そのように設計したのだ」と付け加えた。PayPal Beaconは、新たに設計し直された同社のモバイルアプリ、および対応するPOSシステムと連携し、モバイル決済という激戦市場に存在する複雑な問題に対するシンプルな解決策として開発された。同社はこの市場について、小売業者と顧客のいずれにとっても非効率的なプロセスにまだ依存していると評している。
Ferguson氏は「携帯電話をタップするという操作は、カードをスワイプする操作に比べてさほど優れているとは言えない」と述べており、これこそ同社がこの新デバイスでハンズフリー決済を重視した理由となっている。
このシステムの仕上げとなるポイントは決済時の体験だ。小売業者はカードをスワイプしたり、スマートフォンのタッチによって決済時の認証を行わずとも、PayPalのアプリを通じて直接すべての処理が可能になる。顧客はPayPalで支払う旨を小売業者に伝えるだけでよい。またレシートも電子的に処理されるため、署名の必要もない。
PayPalはBeaconを2014年に市場投入する予定だが、小売業者および開発者向けの「Mobile In-Store API」を9日に提供開始する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」