Steve Ballmer氏のMicrosoftにおける33年間を評価する声が収まってきたところで、話題の中心は今後12カ月以内に同氏の後任に就く人物は誰かということに移っている。
それは、才能と経験、そして頭脳を兼ね備えた稀にみる資質が要求される仕事だ。ブックメーカーのLadbrokeは、元「Microsoft Office」担当プレジデントであり、現在は「Windows Phone」の推進力となっているNokiaの最高経営責任者(CEO)Stephen Elop氏を最有力候補に挙げ、続いて現Microsoft最高執行責任者(COO)のKevin Turner氏を挙げている。ほかにも、Microsoftの現職および元幹部数名がリストの上位10名の中に入っている。
リストの最下位では、Apple CEOのTim Cook氏のオッズが100-1で、その1つ上の順位にいるBill Gates氏が50-1となっている。
オッズの内容がどうであれ、Gates氏がMicrosoft経営陣に復帰する可能性はないと思われる。Microsoftの関係者も、Gates氏のCEOへの復帰は「あり得ない」と述べている。
一方、Salesforce.comのCEOであるMarc Benioff氏は、今回の節目にあたってCEOにふさわしい唯一の人物はGates氏だと確信している。Microsoftの取締役会長として、また主要な開発プロジェクトのアドバイザーとして、Gates氏がBallmer氏とともに、近年における同社の成功と失敗の責任を負っているにもかかわらずだ。
Benioff氏は米CNETに対し、「Bill Gates氏以外に、明らかにMicrosoftを立て直すことができる洞察力を備えた候補者はいない」と述べた。「Gates氏なら新たなビジョンの求心力になれるだけでなく、リーダーシップを持つ豊富な人材を引き寄せる存在になる」(Benioff氏)
Benioff氏はGates氏について、10年間の追放期間を経てAppleに復帰したSteve Jobs氏のように、3年間は暫定CEO以上の存在になれると示唆している。
Benioff氏は自身のキャリアにおいて、Microsoftの最大の支持者ではなかった。同氏の経歴はOracleに始まり、その後1999年にクラウドベースソフトウェアの先駆けであるSalesforce.comの共同創設者となった。同氏は2008年、Microsoftは「未来を創造することよりも過去に固執」しようとする「恐竜」だと表現している。
しかし、Benioff氏の主張によると、Gates氏は2008年に一線を退いたときと比べて変わったという。「彼(Gates氏)が実務から離れた3年間という期間を経て復帰することで、新たな手法でMicrosoftの経営を切り盛りし、慈善団体の運営を(夫人の)Melinda氏に任せ、変革を実行し、次なるリーダーを見出すことができるだろう」(Benioff氏)
Benioff氏はMicrosoftの次期CEOに向けていくつか助言している。「過去を捨てるときがきたら、その覚悟を決めなければならない。もはや有効とは言えない先入観や古いスローガンに迎合するなら、失敗する羽目になる。(次期CEOには)未来を描き直せる能力が必要だ。われわれは、それを実質的に行える業界リーダーを評価する」(Benioff氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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