Motorolaの「Moto X」は、同社が精巧な作りの高性能携帯電話市場に打って出るための製品だと言われている。AllThingsDの報道によると、Googleはこうした製品を作り上げるために製造工程にお金をかけており、1台あたりの製造コストは221ドルになっているという。
このコストは、通信キャリアとの契約なしでは579ドル、2年契約の場合には199ドルという価格のデバイスとしてはかなり高額だ。ちなみに、Appleの最も高価なスマートフォンである「iPhone 5」の製造コストは、1台あたり167.50ドルだと言われている。
調査会社IHSによるコスト分析レポートを入手したAllThingsDによると、Moto Xは製造コストが高いとされているものの、その部品には高級なテクノロジが使用されているわけではないという。Moto Xは同携帯電話における最も重要な機能を実現するために、1年前に発売されたQualcommの「Snapdragon S4 Pro」プロセッサとTexas Instruments製チップ2基を搭載しているという。
米国時間8月23日に発表されたiFixitによる分解でも、1.7GHzのQualcomm製Snapdragon S4 Proとともに、Motorola製の3.8V、2200mAhリチウムイオンバッテリが搭載されていることが明らかにされている。
IHSのアナリストであるWayne Lam氏はAllThingsDに対して「GoogleとMotorolaは、他社のように『性能が高いほど優れている』という尺度で製品戦略を決めていない」と述べるとともに「彼らは、自社製品を差別化するための方法を模索しており、ユーザーエクスペリエンスに新たな方向性を見出そうとしている」と述べている。
このような新たな方向性の1つに、ユーザーが携帯を細かくカスタマイズできるようにするというものがある。ユーザーはMoto Xの購入時にホワイトとブラックという2色の基本カラーを選択できる。しかしMotorolaは購入者に対して、色調やパターンなどを同社のテキサス工場に注文できるというオプションを提供している。
またMoto Xは、米国で生み出された携帯電話であることを大きな売り文句としている。Moto Xの設計とエンジニアリング、製造はすべて米国内で行われている。
Lam氏はAllThingsDに対して「Motorolaはメイドインアメリカ携帯を実現するためにそれなりのコストをかけているものの、それと引き替えにカスタマイズがより容易になるというメリットを手に入れている」と語っている。
IHSの見積もりによると、Moto Xの部品コストすべてを合計すると209ドルとなり、米国で製造するためのコストがさらに12ドルかかるため、製造コストは221ドルになっているという。アジアで製造した場合のコストは通常、1台あたり7~8ドルになるとIHSは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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