Steve Wozniak氏はGizmodoへの投稿のなかで、新たに制作された映画「スティーブ・ジョブズ(原題:JOBS)」を観た後、困惑と失望のはざまとでも表現すべき感想を表明している。
同氏の発言内容は、一部の人々にとって自己矛盾のように感じられるかもしれない。
同氏は一方で「映画の悪いところの多くは、Ashton(主役のAshton Kutcher氏)自身が抱いているJobsのイメージから来ているのではないかと思う」と述べている。
しかしもう一方で「演技は最初から最後まで素晴らしかったと思う」とも述べている。
これらの発言をまとめると、Kutcher氏は自らに与えられた役をうまく演じていたものの、彼が演じていた人物はSteve Jobs氏ではなかったという意味に捉えるべきなのかもしれない。
またWozniak氏は、同氏が金銭上の理由でアドバイスを出ししぶったというKutcher氏の批判に反論している。Kutcher氏は、Wozniak氏がAaron Sorkin氏の脚本によるSteve Jobs氏の映画に関わりを持っており、その映画との金銭的なつながりがあることをほのめかしていた。
Wozniak氏はKutcher氏が「誠実さに欠ける」と述べている。
さらに、Wozniak氏は脚本が気に入らなかったという。同氏は映画そのものも(多くの映画批評家と同様に)酷評しており、誰かに勧められるほど楽しめなかったと述べている。
Wozniak氏は同投稿のなかで、Appleの新規株式公開(IPO)時に株式を割り当てられていなかった80人の従業員に対する自らの行為についても語っている。これらの従業員には、自らの株式を割り当てることでその労に報いたのだという。しかしWozniak氏は同投稿へのコメントで、この80人のなかにRonald Wayne氏は入っていなかったと認めている。
Wayne氏はAppleの3人目の共同創業者であったが、早くに同社を辞めている。Wayne氏はAppleの株式の10%を保有していたが、それを譲渡する対価として総額2300ドルを2回に分けて受け取っていた。
「私はRon Wayne氏に手を差し伸べなかった。これは私の手落ちだ。完璧な人間などいない。彼も報われて当然だったと思うが、在籍期間が短かったため、他の人たちに対するほどのものである必要はなかったと思う」(Wozniak氏)
確かに、完璧な人間などいない。それでもWozniak氏は最後に、この映画に対する取り組みについて語っている。
「私は『i-時代』におけるSteveの卓越ぶりと、素晴らしい製品を愛用できる私自身の生活に対する彼の貢献に感謝しているが、この映画では彼のそういったスキルがはるか昔から発揮されていたかのように描かれている」(Wozniak氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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