サムスン、工場の劣悪な労働環境を理由にブラジル当局に提訴される

Dara Kerr (Special to CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 高橋朋子 (ガリレオ)2013年08月15日 12時10分

 ブラジルの検察当局が、同国の労働者の権利を侵害したとしてサムスンを提訴した。サムスンの工場で労働者を数十日間連続で長時間勤務させたとの理由だ。

 労働問題を扱うブラジルの通信社Reporter Brasilの記事によると、今回の提訴は、ブラジルの労働雇用省が同国マナウスフリーゾーンにあるサムスンの工場を2度監査した結果、劣悪な労働条件が明らかになったことを受けての措置だという。この工場では、サムスンの一部スマートフォンを組み立てている。

 9to5GoogleによるReporter Brasil記事の一部英訳によると、この工場の労働者は、休憩なしで毎日10~15時間以上の立ち仕事を行っており、中には最長27日間連続で勤務した従業員もいるという。

 さらに、労働雇用省の調査によると、労働者は安全とされるペースを上回る速度で部品を組み立てており、1分あたりに行う動作回数は、安全上定められた上限の最大3倍に達していた。マナウス工場は約5600人の労働者を雇用しているが、2012年には2018人が腰痛、腱炎、滑液包炎など健康上の問題を理由に離職を申請しているという。

 「サムスンは労働者の健康を適切に管理しておらず、問題を解決しようともしていない」と、労働雇用省のRomulo Lins調査官はReporter Brasilの記事で述べている。

 米CNETがこの件について取材したところ、サムスンの広報担当者は次のように回答した。「訴状を受け取り次第、徹底的な見直しを実施し、ブラジル当局に全面的に協力するつもりだ。当社は全世界の労働者に対し、業界最高水準の健康、安全、福利厚生を保証する労働環境を提供することに細心の注意を払っている」

 当局は今回の訴訟で、工場の労働者に対する約1億1000万ドルの賠償金を求めている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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