新型iPhoneは9月10日に登場?気になる裁判の行方--松村太郎のApple一気読み

 8月5日~8月11日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 日本はお盆休みとなる今週、全国的に非常に気温の高い1週間となるそうだ。カリフォルニア州サンフランシスコ周辺も、最高気温が20度に届かない「真夏の寒さ」を抜けて、今週は25度を超える日があるという。さて、国内外ともにニュースが枯れそうなこのシーズンだが、Appleに関する情報は、Samsungとの裁判やiPhone発売へ向けての動きもあって増え始めている。さっそく先週のAppleに関するニュースを見ていこう。

次期iPhoneに関する最新情報

 All Things Dに先週末、「9月10日にiPhone発売へ」という記事が掲載された。これまで9月6日前後という噂話が流れてきたが、翌週に押すかたちとなる。ただいずれにしても、9月中に、iPhoneを発売と最初の週末を迎える日程を組んでくるのではないか、と筆者も考える。

 2013年第3四半期決算で、iPhoneはアナリストらの予想を大きく上回る3000万台以上の販売を記録した一方で、iPadは新製品が登場せず、予測を下回る結果となった。2013年第4四半期の良い「数字」を作るには、9月中に新型iPhoneを発売し、決算に含めるようにしたいと考えるのが自然ではないだろうか。となると、遅くとも9月26日までに発売することになると考えられる。

 iPhoneに関する最新の情報だが、海外からも信頼の厚い日本のサイト「MACお宝鑑定団Blogによると、新型のハイエンドモデルは「iPhone 5S」の名称が与えられると見られており、カメラは800万画素のまま、レンズはより明るいF2.0になると見ている。廉価版についても先週の本連載でご紹介した通り「iPhone 5C」の名称が与えられ、背面はポリカーボネイトとグラスファイバーの複合材とのこと。

 一方、新しいiPhoneと同時にリリースされると見られるiOS 7も、先週ベータ5がリリースされ、さまざまな改善が加えられている。着信時のボタンデザインの変更、プッシュ通知のバナーのデザイン変更、ロック画面のインターフェースのアップデートなどが加えられた。こちらももうしばらくアップデートが繰り返されていくものと見られる。

 iPhoneの新たな好敵手とになると見られているデバイスについても、レビューが出ている。Googleが買収したMotolora Mobilityが買収後初めてリリースしたデバイス「Moto X」は、画面サイズなどのスペックをさほど追究せず、背面パネルをさまざまな色や木材に変更できるなど、iPhoneの「一点完璧主義」ともGALAXYの「スペック追求主義」とも違う、新しい価値を提案しようとしている。、新しい価値の提案を行おうとしている。

 iPhoneのシリーズにも変化が見られはじめるであろう今秋、スマートフォンの多様化と新たなトレンドに注目したい。

アップル、「iOS 7」ベータ第5版をリリース(8月7日)
「iPhone」と対照的な「Moto X」のカスタマイズ戦略--スペック重視の業界に投じる一石(8月7日)
新型「iPhone」、米国時間9月10日に発表か(8月11日)

米韓両国も巻き込むAppleとSamsungの法廷闘争

 AppleとSamsungの世界中での法廷闘争に、また新たな局面が生まれた。まず先週の記事でご紹介した通り、ITCがSamsungの特許を認め、iPhoneを輸入禁止とする判断をオバマ政権が拒否権を発動した。これに対して韓国政府は、「そのような決定が特許権の保護に及ぼす悪影響に懸念を表明する」とした上で、「公正で合理的な決定」を下すことを求めていた。Appleもまた、Samsungを特許侵害として訴えており、先週ITCからその判断が出されるからだ。

 その懸念は現実のものとなった。ITCは、Appleの特許2件を侵害していると判断し、旧型Samsung端末の販売差し止めを認めたからだ。この件について、オバマ大統領が再び拒否権を発動するかどうかは分からないが、Samsungが米国企業でないことを考えると、あまり拒否権に期待できないのではないだろうか。

 そしてもう1件、AppleとSamsungの裁判の控訴審がスタートした。Appleが判事団を前に、Samsung製端末26機種を販売禁止にするよう求める口頭弁論から始まった。

 これらの裁判の行方には、米国の法曹界も注目しているという。非常に多数の技術や権利の組み合わせによって成り立っているスマートフォンやタブレットのようなデバイスが、ごく少数の知的財産権で販売停止かどうか、判断に注目が集まっているからだ。

 また一方で、一連の裁判が8月に活発化することがパターン化していることも気になる。2012年は8月にSamsungに対して10億ドルを超える賠償金の支払いが命じられ、Appleの正当性が確認された直後にiPhoneが発売され、Appleが四半期のスマートフォン販売台数でトップを飾るなど、これまでのiPhoneの中でも最高の成績を収めた。

韓国、米政府の対応に懸念を表明--アップル製品販売禁止命令の拒否権行使で(8月6日)
アップル対モトローラ特許侵害訴訟、米控訴裁がITC決定の一部を覆す(8月8日)
アップル対サムスン訴訟、米控訴裁に舞台を移して審理再開(8月10日)
ITC、旧型サムスン端末の販売差し止めを認める--アップル特許2件を侵害と判断(8月10日)

その他

旧「MobileMe」ユーザー向け無料「iCloud」ストレージプラン、9月30日に終了へ(8月5日) アップルの開発者サイト、未復旧サービスの大半が今週中に再開へ(8月6日) 第2四半期タブレット出荷台数、前期比で減少--IDC調査(8月6日)
アップル、サードパーティー製電源アダプタの回収プログラムを開始へ(8月6日) VirnetX、対アップル特許侵害訴訟で対象特許を追加(8月7日) アップルの「iTunes in the Cloud」、国内でも映画に対応--初音ミク限定ライブも(8月7日)

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