買う気はなかったのに、何気なく手に取った本が、その後の人生に大きな影響を及ぼすことはよくある。今よりほんの少しうまいやり方が見つかるだけで、劇的に効率が良くなったり、熱く燃える思いで頑張る人のことを知るだけで、自分もやる気が起きたりする。たとえ大きな変化はなくとも、1冊の本を読み終えたとき、何か思うところが出てきたら、その本を読んだ意味がある。この夏、何らかのきっかけを与えてくれるような、ビジネス書を読むのはどうだろう。
「仕事が終わらない」「雑事に追われてやりたいことができない」というのは、よくある悩みだ。その原因はタスク管理がうまくいっていないことにあるのかもしれない。あれもこれも気になって、目の前のことに集中できず、余計に時間がかかってしまうのはムダであるし、何に集中すべきかを把握できず、先にやらなければいけなかった事を後回しにしてしまっていた場合は、大きなストレスとなり、心身に負担をかける。「時間のムダも、余計なストレスもなくしたい」、そしてもっと「やりたかったこと」をやれるようになりたいならば、本書がお勧めだ。
人をまとめたり、人の上に立って仕事をする必要がある場合、本書が役に立つ。リーダーの強み、あるいはチームメンバーの「強み」を生かすことにより、目標を達成したり、新しいアイデアを実行したりしやすくなり、チームの動きのみならず、組織全体の動きがスムーズになる。有能なリーダーになるためには、苦手なことを叱咤激励してやらせるのではなく、得意な分野で存分に能力を発揮してもらうのが良いようだ。自分の強みを知るためのテスト「ストレングス・ファインダー」を、ウェブサイトで受けるためのアクセスコードも付いている。
暑いというだけで、気力のかなりの部分を消耗するような気がするが、実際人間の意志の力は有限であり、きちんと疲れを取らないと、仕事の効率が悪くなる一方であることが、さまざまな実験で証明されている。会社の業績を左右するようなリーダーとしての意思決定も、1日中続けていると、判断力は鈍ってくる。ダイエットをしようとしても、「食べてはいけない」と思い込み続けると、疲弊し、反動でどか食いに走ってしまう。そうした例を踏まえ、本書には良い習慣を身につけて健康を取り戻したり、難しい仕事でも諦めずに成し遂げる力を得るためのヒントがある。
仕事のプレゼンのやり方に行き詰まりを感じている人にお勧めなのが本書だ。プレゼンが、単に「自分の言いたいことを相手に伝える」ことに留まってしまうと、相手を動かすことはできないだろう。プレゼンを聞いて、その先のことを「発想」してもらえたら、人も事態も動き出す。そのようなプレゼンを行うには、やはり基本となる「型」を身につける必要がある。本書には、話し方から魅せ方まで、目的に応じたプレゼンのパターン(型)が34種類紹介されている。型を意識することにより、自分の欠点も見えてくるはずだ。そこから、より良いプレゼンへの道が開ける。
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