日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月29日、Android OSを搭載したタブレットやセパレート型のPCタイプモデルなど3製品を8月6日より国内でも順次発売すると発表した。これらはワールドワイドで先行して展開している製品だ。国内でも本格的にAndroid端末を展開していく。
「HP Slate7」は7インチ(1024×600)のタブレットだ。重さは約370g。音楽や動画などの再生時に高品質なヘッドホンサウンドを実現する「Beats Audio」に対応する。ヘッドホンはオプションで別売となる予定。OSはAndroid 4.1、ARM Cortex-A9デュアルコアプロセッサ(1.6GHz)だ。バッテリ駆動時間は約5時間。Google Playに対応する。
最大32Gバイトまで使用できるmicroSDカードスロット、背面には300万画素のカメラと前面にはVGA Webcamを搭載。カラーは「シルバー」と「レッド」の二色展開で背面にソフトタッチ処理を施し、持ちやすさに優れたボディデザインを特長とする。
直販モデルは8Gバイトモデルが用意されており、価格は1万3860円から。8月6日より受注を開始し、8月下旬に出荷予定。量販店モデルは16Gバイトモデルのみで店頭想定価格は2万円前後、8月下旬に発売する。
「低価格だが音がよく、基本もしっかりしている製品」と日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステム事業本部 コンシューマービジネス本部の室裕朗氏は自信を見せる。
今回“音”に力を入れた理由について、タブレットの使われ方を調査したところ「動画閲覧」「音楽」「ゲーム」の3つが多かったことから「3つに共通するのは音。音は潜在的なニーズが高いと見ている」(室氏)と背景を説明した。
「HP SlateBook10 x2」は、10.1インチIPS液晶(1920×1200)を搭載したタブレットと、着脱可能なキーボードドックで構成された端末だ。一見すると普通のノートPCのようにも見えるが、ヒンジの部分から脱着できるしくみ。HPでは、タブレットとしてもノートPCとしても使えるとして「ハイブリッドPC」と位置付ける。OSはAndroid 4.2で、NVIDIA Tegra 4を搭載する。
タブレット単体は、重さ約600gでバッテリ駆動時間は約8時間45分。キーボードドックを接続すれば、約14時間45分の長時間駆動を実現する。本体にはKINGSOFT Office for Androidをプリインストールする。「スモークシルバー」と「スノーホワイト」の2色展開だ。価格は約5万円前後で、HP directplusにて9月上旬に発売する。
「HP Slate21」はフルHD対応の21.5インチ(1920×1080)の大画面ディスプレイを搭載したオールインワンPCだ。ディスプレイの傾斜角度の調整を片手でスムーズにできる「HPスマートスタンド」を採用する。可動範囲は15~70度まで、テーブル上にほぼ寝かせた状態でのタッチ操作など、さまざまな使い方に対応する。
HP Slate21は、KINGSOFT Office for Androidをプリインストールし、キーボード、マウスが付属して4万円前後。 「まったく新しい製品なので、グローバルの調達力を生かしアグレッシブな価格を付けた」(室氏)。HP directplusにて9月上旬に発売する。カラーは光沢のある「グロッシースノーホワイト」のみ。
スマートフォンなどで慣れたユーザーインターフェースを家でも使いたいという層は「いると思っている」と説明する。同社の調査によれば、「現在のユーザーに、別の機器で映して見たいか?」という質問に45%がYesと答えたとし、「変化球、ちょっと違うアプローチで夢を実現したのがこの製品」(室氏)と説明した。
グローバル市場における、PC、タブレット、スマートフォンは毎年2億台成長し、年間平均成長率(2013年から2017年)は、スマートフォンが13%。タブレットがもっとも多く16%と予測する。不況と言われるPCも、1%の成長があると見る。
日本ヒューレット・パッカード 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史氏は、低価格化が進み新興国を中心に「まだまだ広がる」という。「今伸びているのはAndroid。Windowsもこれまでのアプリケーション資産があり、まだまだ成長していく。iOSは我が道でいくという形で伸びていき、OSはこの3つに集約されていくというトレンドと読んでいる。HPもこの先、PC、タブレット、スマートフォンはまだ言えないが、それぞれのトレンドに対応していかないといけない」(岡氏)。
また、いままでのWindows PC、ノート、デスクトップだけでなく、Windows+Androidなど、マルチのOSのサポートといったOSのバリエーションを持たなければならないと話す。「どれだけの国で事業を展開するか。製品+地域のカバレッジが必要。低価格の製品にも対応していかないと、事業のスケールは維持できず、製品の開発投資をカバーできない。製品を広げ、地域を広げ、利益を再投資に回す。そういうアプローチをベンダーとしてできるかどうかが、この先メジャーベンダーになるのか、ニッチプレーヤーに変わっていくかの境目。HPはメジャーベンダーとしての位置を目指していく」と語った。
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