「Bluetooth Smart」テクノロジのサポートは、Android 4.3のもう1つの追加機能だ。これは、iOSで2012年初めから利用可能になっていることを考えれば、それほど意外なものではない。このテクノロジがあることでAndroid 4.3では、Bluetooth Smart対応の電力効率の良い新世代アクセサリと接続することが可能になる。そしてもちろんBluetooth Smartによる接続によって、Android端末のバッテリにかかる負担が小さくなるはずだ。Googleのプレゼンテーションでは、人気フィットネスアプリ「Runtastic」によって動くBluetooth Smart対応の心拍数モニターと、Android端末とを接続する様子が紹介された。
今回のアップデートでは、「Bluetooth AVRCP 1.3」のサポートも追加された。これによってデバイスからBluetoothコントローラに、楽曲のタイトルやアーティスト名といったメタデータを転送できるようになる。
ゲーマーにとって重要な点は、「Open GL ES 3.0」によってAndroid 4.3の効率性が上がり、グラフィックスの表示が明らかに向上していることだ。Googleのデモでは、以前のバージョンでは表示が難しかったであろう印象的な質感やレンズフレア、反射を見ることができた。アップグレードされたグラフィックスは平均的なユーザーには識別しにくいかもしれないが、Open GL ESのサポートは、開発者に向けて新たな可能性を開くことを考えるとやはり重要である。
以下は、このOSの機能強化の中で最も人目を引くものではないかもしれないが、全体としては、よりスムースな(そしてより楽しい)モバイルコンピューティングエクスペリエンスを実現するものだ。
最初に紹介するのはAndroidのダイアラー機能で、新たに電話番号と名前の両方のオートコンプリート機能が追加された。筆者はこの機能をスマートフォン上でまだ試していないが、それがAndroid 4.3に搭載されていることは確認済みで、便利さが増すことは注目に値する。とはいえ現実的には、ほとんどのAndroidユーザーはダイアラーのアップグレードに気付かないかもしれない。それはオートコンプリート機能が既に、サムスンのようなハードウェアメーカーによってカスタマイズ済みOSに組み込まれているからだ。
Googleが公式に発表していない機能が、新しい絵文字キーボードだ。これはOSに組み込まれていて、設定メニューの中の「Language & Input」メニューから有効にできる。有効にすると、スペースキーの長押しによって表示させることができ、心ゆくまで自分の感情を表現できる。
Wi-Fiスキャンオンリーモードは、やや目立たないものの、バッテリを節約するのに役立つ新機能だ。この機能を有効にすると、Wi-Fiがオフの場合でも、Googleの位置情報サービスやほかのアプリがネットワークのスキャンを実行する。これはつまり、バッテリを消費し続けなくても現在地の精度を高められるということだ。
Android 4.3は夢中になるほどのものだろうか。おそらくそうではない。改善点のほとんどは内部的なもののようだし、Googleがデモを行った、フロントエンド部分での最大の追加機能(制限付きプロファイル)は、親たちや企業に向けたものだ。
多くのAndroidユーザーは、次にくるOSが「Android 5.0」、つまりKey Lime Pieになるようにと祈っていたが、パフォーマンスに焦点を当てたこのアップデートは、Googleが開発をよりゆっくりと進めていることを示すものだ。これはおそらく、デバイスメーカーが追い付こうとする中で断片化を最小限に抑えるためなのだろう。この推測が当たっているとすれば、今回の変更は興奮するようなものではないが、長い目で見ればすべてのAndroidユーザーにとって良いものとなるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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