米Yahooが、ここ数年にわたって最も率直に同社を批判してきた人物の1人を事実上、厄介払いした。
Yahooは米国時間7月22日、ヘッジファンドのThird Pointが保有するYahooの普通株のうち4000万株を1株当たり29.11ドルで買い戻すことを発表した。現金約12億ドルに相当するこの取引により、Third Pointの保有するYahoo株は約2000万株となる。それがYahoo株に占める割合は2%以下だ。
とはいえ、それは1年間の仕事の報酬としては悪いものではない。Daniel Loeb氏とThird PointはYahoo株を約13ドルで購入した。つまり、同氏は事実上、約1年で現金を2倍に増やした。
もしThird Pointという名前に聞き覚えがある人がいるとしたら、それは、同社の最高経営責任者(CEO)であるLoeb氏が2012年、Yahooの悩みの種になっていたことが理由だろう。Loeb氏は2012年、より効果的にYahooの方向性に影響を及ぼすために、Third Pointを通してYahoo株を何千万株も集めた。その取り組みの主眼は、Yahooの経営陣に狙いを定めることだった。
Loeb氏は数カ月にわたってYahooの方向性に対する不満を訴えた後、2012年5月に同社の取締役会に宛てて書簡を書いた。同氏はその書簡の中で、Yahooの元CEOであるScott Thompson氏がコンピュータサイエンスの学位を取得したというのは学歴詐称であり、実際にはストーンヒル大学で会計学の学位を取得したことを暴露した。それからまもなくして、Thompson氏はYahooを去り、Loeb氏は同社でそれまでよりはるかに大きな力を持つようになった。
Loeb氏はその力を行使して、自身と複数の幹部をYahooの取締役に任命した。同氏は、Yahooの新CEOにMarissa Mayer氏を迎えるのにも尽力した。
しかし、今回の株式買い戻しによって、Mayer氏は邪魔者を一掃するつもりだ。Loeb氏、そして同氏とともに取締役に任命された幹部の2人(Harry Wilson氏とMichael Wolf氏)は7月31日にYahooの取締役を正式に辞任する。その2人と同様にLoeb氏の寵臣であるMax Levchin氏は、取締役に留まる。Levchin氏がLoeb氏と取締役会の両方から承認されたことが、その主な理由だ。
Loeb氏がなぜこのタイミングでYahooを去ることになったのかは不明だ。同氏が2012年、Yahooに悩みの種をもたらしたことを考えると、同社が自らの現金を使って、同氏を追い出す決定を下した可能性もある。一方のLoeb氏は、2012年以降のYahoo株上昇を受け、莫大な売却益を得ようと判断した可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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